AI企業のパランティアやメタをはじめ、IPOリーダーのLandBridgeやKarmanなどが注目を集める中、米IBDが提供する「Stock Screener」が個別銘柄選別の強力な武器となっている。このツールは、IBDの保有する約1万銘柄のデータベースを対象に、独自の評価指標やカスタムフィルターを用いて分析を可能にする。
IBD 50やセクターリーダーといった厳選リストに加え、上場2年以内で50%以上の成長を示す新興企業の抽出も自在。特に2025年以降の株式市場の反発局面において、次なる成長銘柄の発掘手段として注目が高まっている。
個人投資家にとっては、収益成長率や予想EPS、出来高変動率など多岐にわたる指標を駆使し、独自のウォッチリストを形成する柔軟性が大きな利点となる。
カスタムスクリーニングが導く新たな成長株発見の道筋

IBD Stock Screenerは、パランティアやメタといった既存の成長株だけでなく、上場間もないLandBridgeやAtour Lifestyleといった新興企業までを広く対象とした分析ツールである。利用者はIBDの保有する約1万銘柄の中から、EPS成長率、出来高の変動率、売上高推移、配当利回りなど多岐にわたる指標を基にフィルタリングを行い、自身の戦略に即したスクリーニングが可能だ。特に「IBD 50」や「IPO Leaders」など、IBD独自のランキングリストと掛け合わせることで、より実践的かつ精度の高い銘柄選別が可能となっている。
2025年の株式市場は生成AIの進展や米中対立の構造変化を背景に変動の兆しを見せており、その局面で次の成長株を見出すには精緻なデータ解析が不可欠となる。IBDのようにコンポジットレーティングやEPS予測などの複合的要素を組み合わせたスクリーニングツールは、単なる過去実績にとどまらず、将来性に基づいた選別を支援する構造となっている。従来の四半期業績や時価総額だけを軸にした判断では見落とされがちな企業の発見にこそ、このツールの真価がある。
データベース全公開による透明性と再現性の強み
IBD Stock Screenerの特筆すべき点は、その透明性と再現性にある。利用者は「IBD Data Tables」から約1万銘柄すべての基礎データにアクセスでき、任意の基準で独自のスクリーニングを設計・実行できる設計になっている。これにより、たとえば過去2年間に上場したIPO銘柄の中で売上高が50%以上成長している企業を抽出する、といった具体的な条件設定も可能となり、画一的なアプローチから脱却した戦略的選定が実現する。
また、抽出された結果はWordやGoogle Sheetsへエクスポート可能であり、さらなる外部分析やポートフォリオの設計にも転用しやすい。特に決算期やボラティリティが高まる局面では、数値変化を即時に反映しながら再スクリーニングを行うことで、機動的な対応を支える。このような機能拡張性と実務への親和性は、経験の浅い個人投資家にとっても有益な足がかりとなるだろう。
銘柄選定のプロセスを“勘と経験”から“条件とロジック”へと転換する手段として、IBDの提供するスクリーナーは今後一層の注目を集める可能性がある。特定テーマや成長指標に基づいた精密な分析こそが、市場の変動に左右されない中長期的視点を養う鍵となる。
Source:investors business daily