テスラ(TSLA)の欧州販売が2月に前年同月比40%減となり、1月の45%減からは若干改善したものの、業績不安が株価に影を落とした。3月25日時点で株価は年初来高値を約30%下回っており、ブランドイメージの毀損や納車数の鈍化見通しも懸念材料となっている。
一方でCanaccord社調査では、2025年にテスラを選ぶと答えた消費者が約65%を占め、一定の需要堅調さが示唆された。アナリストの間では「買い」評価が継続しており、目標株価404ドルとの見方もあるが、4月2日に発表予定の四半期納車数次第では再び下値を試す展開も否定できない。
投資家心理は改善の兆しを捉えつつも、短期的な反発を支えるには確たる成長材料が求められる局面にある。
欧州販売40%減の実態と、改善傾向の評価軸

欧州自動車工業会(ACEA)の発表によれば、テスラの2025年2月における欧州地域での新車販売台数は16,888台となり、前年同月から40%減少した。1月の45%減と比較すれば下げ幅は縮小しており、短期的には販売減少の底打ちを示唆するデータとも受け取れる。ただし、2カ月連続での大幅なマイナス成長は、地域ごとの需要減速を裏付けるものであり、市場の回復には慎重な姿勢が求められる。
こうした中、テスラ株は過去2週間で25%以上上昇したが、年初来高値からは依然として30%程度低い水準にある。これは投資家が今後の成長回帰を期待しつつも、業績の実態と株価の乖離に一定の警戒感を持っていることを示す動きと言える。さらに、ブランド力に対する懸念も無視できない。イーロン・マスク氏の政治的関係性が企業イメージに影を落とし、それが販売戦略の妨げとなっている可能性も考慮されるべきである。
データ上の「改善」は、依然厳しい比較ベースの上に成り立っており、継続的な回復トレンドを示すにはさらなる販売の安定が必要とされる。特に欧州市場では競争が激化する中、従来の強みだけでは通用しない局面に差し掛かっている。
アナリストが示す株価上昇余地と、短期的な不安材料の交錯
Canaccord社のアナリストであるジョージ・ギアナリカス氏は、テスラ株を引き続き「買い」と評価しており、目標株価は404ドルに設定されている。これは現在の市場価格に対して約45%の上昇余地を示唆するもので、同社が見込む成長ポテンシャルの大きさを反映している。加えて、Canaccordの今月の調査では、回答者の約65%が2025年にテスラを選ぶ可能性が高いと答えており、消費者マインドの強さが一定の裏付けを与えている。
一方で、4月2日に予定されている四半期納車数の発表は、投資判断に大きな影響を及ぼす材料となり得る。市場では、納車実績が弱含むとの見方が広がっており、その内容次第では短期的な株価調整が再燃する可能性がある。CNBCに登場したDeepwater Asset Managementのジーン・マンスター氏も「年末には株価が上昇する」と語る一方、「今が底ではない」と述べており、目先の不安定さを示唆している。
このように、長期的な成長期待と短期的な業績懸念が交錯する状況では、安易な上値追いには慎重な判断が求められる。テスラ株の本格的な反発には、納車数や販売回復といったファンダメンタルの裏付けが不可欠であることは明らかであり、期待先行の評価には依然としてリスクが伴う。
Source: Barchart.com