サムスンは、2025年モデルのNeo QLEDテレビとQシリーズサウンドバーの販売を正式に開始した。4Kモデル「QN90F」には反射を抑える「Glare-Free」技術や最大165Hz駆動、NQ4 AI Gen3プロセッサーが搭載され、AIによる映像最適化が可能となっている。8K最上位モデル「QN990F」では、30フィートまで接続できる「Wireless One Connect Box」や240Hzのモーション補正、Dolby Atmosに加えて立体音響の自動調整を行う「Object Tracking Sound Pro」を備える。

サウンドバーは11.1.4ch構成の「HW-Q990F」と、5.1.2ch構成の「HW-Q800F」の2モデルが登場しており、いずれもDolby Atmosに対応。価格帯は43インチQLEDが$1,399から、98インチ8Kが$39,999まで幅広く展開されている。

AIプロセッサーと高速駆動で進化したQN90Fの映像処理技術

「QN90F」は、前モデルQN90Dの進化系として、AIによる映像処理と高リフレッシュレートに注目が集まる。NQ4 AI Gen3プロセッサーは、4K未満の映像をリアルタイムでアップスケーリングし、映像の質感や色表現をより自然かつ鮮明に変換。HDR性能も「Neo Quantum HDR+」により強化され、明るさの表現に奥行きが増している。さらに「Motion Xcelerator 165Hz」によって、動きの激しいスポーツやアクション映像でもブレが抑えられ、臨場感ある視聴体験を実現している。

43インチから115インチまでの幅広いサイズ展開も特徴で、視聴スタイルに応じた選択肢が揃っている。価格は43インチが$1,399、98インチが$14,999と、仕様と画面サイズに比例して設定されており、115インチは2025年後半の発売を予定。家庭での映画鑑賞からゲーム用途まで、用途に応じてスペックを重視する層にとっては魅力的な構成といえる。

搭載されている「Glare-Free」技術は、QD-OLEDテレビで培われた防眩処理をQLEDに応用したもので、反射の少なさが視認性の高さに直結する。これにより、明るい部屋や日中の視聴でも画面が白飛びしにくくなり、より快適な映像体験が可能となっている。これらの要素が重なり、QN90Fは日常利用から本格的な視聴環境まで広く対応する実用機といえるだろう。

8K最上位モデルQN990Fが提示する未来のテレビ体験

「QN990F」は、サムスンが展開する2025年8K QLEDラインの中でも最高峰のスペックを誇るモデルである。NQ8 AI Gen3プロセッサーを搭載し、8K AI Upscaling Proによって、すべての映像ソースを8K画質に最適化。これにより、従来の映像資産であっても高精細に再現される。さらに、240Hzのリフレッシュレートに対応する「Motion Xcelerator 240Hz」によって、動きの滑らかさも一段と向上している。

音響面でも強化されており、Dolby Atmosと「Object Tracking Sound Pro」を併用することで、視聴中の音の動きが映像と連動。特に「AI Motion Enhancer Pro」による文字やロゴの処理は、スポーツ観戦やニュース映像などにおいて視認性を大きく引き上げる。加えて、「Wireless One Connect Box」により最大30フィート(約9メートル)のワイヤレス接続が可能で、設置の自由度が高まっている(電源は有線)。

価格帯は65インチで$5,499、最大サイズの98インチは$39,999と非常に高額であるが、その仕様は現時点で他社に並ぶものがない。一般家庭での普及というよりも、未来の映像体験に先行して触れたい層や、大画面かつ高精細を求めるこだわり派に向けた製品であるといえる。高価であることを差し引いても、その先進性は際立っている。

サウンドバーも刷新、Dolby Atmos対応で立体音響を拡張

サムスンはテレビと同時に、2025年モデルのQシリーズサウンドバー2機種「HW-Q990F」と「HW-Q800F」を発表。HW-Q990Fは11.1.4チャンネル構成で、サブウーファーと2基のリアスピーカーを含むフルセット仕様。HW-Q800Fは5.1.2構成とシンプルながらDolby Atmosをサポートし、立体音響体験の質を大きく高めている。いずれも価格はHW-Q990Fが$1,799、HW-Q800Fが$999となっている。

HW-Q990Fは、前モデルのHW-Q990Dで指摘されたファームウェアの安定性問題が改良されている可能性があり、信頼性の面でも期待がかかる。11.1.4chという多チャンネル構成により、天井や側面からの音の反射を活かしたサウンドが特徴で、まるで劇場にいるような没入感が得られる。一方で、HW-Q800Fはサラウンドスピーカーが含まれない点でシンプルさを重視した構成となっており、省スペースかつ価格を抑えたいユーザーには選びやすい仕様といえる。

これらの製品はテレビと同様、Dolby Atmos対応によって映像と音の一体感を追求している。とくにHW-Q990Fのような多チャンネル構成は、対応コンテンツであれば爆発音や足音の位置までも精密に再現され、映画やゲームの体験が一段と向上する。シアター的な音響を家庭で再現したい層にとって、テレビとの組み合わせは大きな魅力となるだろう。

Source:Digital Trends