テスラの全社員向け会議でイーロン・マスクが発した楽観的なメッセージが、投資家心理の回復と株価上昇の要因になったとする見解が広がっている。Wedbush証券のアナリスト、ダン・アイブスは、マスクがTeslaへの注力姿勢を強めたことが市場に好感されたとし、目標株価を550ドルに設定した。これは現在水準から100%以上の上昇を見込むものである。
一方で、TSLA株は年初来高値からなお35%以上下落しており、依然として不透明な側面も残る。中国市場での販売鈍化は供給制約によるもので、需要の強さには変化がないという見方も根強い。
市場関係者の間では、これまで何度も逆風を跳ね返してきたテスラの反発力を信じる声が多く、過去の実績がアナリストの楽観姿勢を支えている。
マスクの復帰と全社員集会が市場に与えたインパクト

イーロン・マスクが主導する形で実施された全社員向けのサプライズ集会は、Tesla内部における結束強化だけでなく、対外的にも重要なシグナルとなった。マスクは「未来は非常に明るい」と語り、社員に対し株を売却しないよう助言したほか、Teslaが「誰も想像し得なかった成果を達成する」と宣言している。こうしたメッセージは、同社の将来性に対する確信を社員と市場に植え付け、短期的な株価上昇を後押ししたとみられる。
Wedbushのダン・アイブスは、こうしたマスクの発言と姿勢が投資家に安心感を与えたと指摘し、TSLA株の目標株価を550ドルに設定した。これは現在の株価から100%以上の上昇余地を示唆する強気の評価である。Tesla株に対する「アウトパフォーム」評価も維持され、ポジティブな市場反応を支える一因となっている。
市場の反応は、CEOの行動や発言が企業価値に直結するというTesla特有の構造を改めて浮き彫りにした。特にマスクの再関与が可視化されたことで、「Teslaに再び重心が置かれる」という期待が投資家心理を押し上げたと言えるだろう。
ブランド毀損リスクと株価下落の背景にある投資家の警戒感
TSLA株は直近で反発の兆しを見せているものの、年初来高値からはなお35%以上の下落幅を記録している。この背景には、マスクが政治的発言や別組織への関与を強めたことによるブランドイメージの低下がある。Wedbushのアイブスも、この側面がTeslaの評価に影を落としたことを認めており、CEOの振る舞いが市場との緊張を生むリスクを改めて浮き彫りにしている。
一方で、アナリストらはTSLA株がすでに多くの悪材料を織り込んでいるとの認識を示している。New Streetのピエール・フェラグはリサーチノートにて、Tesla株が再浮上する傾向を過去に繰り返してきた点に着目し、今の局面は「弱含みの中での買い機会」と評価した。特に中国市場での販売減少も供給制約によるものであり、構造的な需要減ではないとの見方が広がっている。
これらの見解は、株価に対する楽観と警戒が交錯する状況を反映している。過去の回復経験に支えられた期待と、マスクの言動に対する不安が共存しており、Teslaの今後の市場評価は依然としてCEOの動向に強く依存する構造から脱却できていない。
Source:Barchart