2025年登場予定のGalaxy Z Flip 7は、サムスンが折りたたみスマートフォン市場でさらなる主導権を握るための重要モデルと位置づけられている。4インチに拡大されたカバースクリーン、再設計されたヒンジ構造、防塵性能の向上、そしてSnapdragon 8 Eliteによる高性能維持など、進化は多岐にわたる。一方で、急速充電の25W据え置きや60Hzの外部画面といった課題も残されており、今後の展開に注目が集まる。
大型化した4インチカバースクリーンがもたらす操作体験の変化

Galaxy Z Flip 7では、外部カバースクリーンが従来の3.4インチから4インチへと大幅に拡大された。これはMotorola Razr 50 Ultraと同等のサイズであり、通知の確認やメッセージへの返信といった日常的な操作を本体を開かずに済ませられる利便性を実現している。加えて、簡易的なアプリの操作や音楽コントロールなど、実用性の幅も確実に広がった。メインディスプレイを開かなくても十分な機能を扱えることで、使用頻度の高いシーンでの操作感に新しい価値を生み出している。
一方で、このカバースクリーンはリフレッシュレートが60Hzのままであるため、アニメーションやスクロール動作がやや滑らかさに欠ける印象を受ける可能性がある。もしここに120Hzといった高リフレッシュレートが採用されていれば、見た目の操作性はさらに洗練されていただろう。サムスンは実用性を優先したと考えられるが、視覚体験にこだわるユーザーにとっては物足りなさを感じる部分かもしれない。今後の進化に向けた試金石とも捉えられる設計だ。
Snapdragon 8 Eliteと冷却性能の強化が支えるハイエンドな日常性能
Z Flip 7には、Qualcommの最新チップセットであるSnapdragon 8 Eliteが引き続き採用されており、日常のタスク処理からゲーム、動画編集といった重い作業まで、安定したパフォーマンスを発揮する設計となっている。これにより、操作のレスポンス向上やアプリ切り替えの高速化が期待され、Z Flipシリーズが持つ“フラッグシップ級の処理能力”という位置づけが継続されている点は評価に値する。特に、Snapdragonが得意とするエネルギー効率と熱制御のバランスは、折りたたみ型という構造上発熱が気になる機種において重要な要素となる。
今回Z Flip 7では、冷却構造にも改善が見られ、より大型化されたベイパーチャンバーが内部に組み込まれている。これにより、発熱をより効率的に逃がす設計となっており、長時間使用してもパフォーマンスが低下しにくくなると考えられる。バッテリー容量も4,300mAhへと増加しており、全体として“持ちが良く、熱に強く、サクサク動く”という三拍子を揃えた仕上がりとなっている。ただし、急速充電が25W据え置きなのは明確な弱点であり、高速充電を求める層には不満が残る可能性がある。
Source:Geeky Gadgets