Microsoftが準備を進めているとされる小型Surface Proが、中国の認証データベースに「2109」「2110」のモデル番号で登録された。申請日は3月19日で、これは製品発表直前に行われる認証プロセスの一環であり、市場投入が迫っている可能性が高い。
新モデルは約12インチのディスプレイを搭載し、Snapdragon Xプラットフォーム、金属製シャーシ、高品質ディスプレイを備えるプレミアム仕様となる見込み。均一なベゼルや丸みを帯びた角の採用により、iPadを意識したモダンな外観となる可能性もある。
同時期には12インチのSurface Laptopも登場する見通しで、こちらはSurface Laptop Goの後継とされ、13.8インチモデルに類似した筐体に高解像度ディスプレイやバックライト付きキーボードを搭載すると期待されている。
Snapdragon X搭載の小型Surface Proが示す製品戦略の転換点

今回中国の認証データベースで確認された12インチ前後のSurface Proは、「2109」「2110」のモデル番号を持ち、Snapdragon Xプラットフォームを採用するプレミアム仕様であることが明らかとなった。Microsoftがこれまで主力としてきたIntel製チップから脱却し、ARMベースのSnapdragonに比重を移す動きは、ハードウェア戦略における明確な方向転換を示唆している。
加えて、金属製シャーシや高精細ディスプレイといった高級仕様を維持しつつ、画面サイズを12インチに抑えることで、モビリティと性能を両立した新カテゴリーの形成を狙っていると見られる。
Snapdragon Xの採用はバッテリー駆動時間の最適化や常時接続性の向上といった利点がある一方、従来のWindowsアプリとの互換性に課題が残る可能性もある。
とはいえ、MicrosoftがこれをSurface Proラインに導入するという事実は、ARMアーキテクチャに対する信頼が一定水準に達していることの表れとも捉えられる。また、このモデルが発表直前の認証ステップを踏んだことから、早ければ春季中にも正式発表される見通しが高まっている。
Surface Goとの棲み分けと12インチ市場への再挑戦
新たな12インチSurface Proの登場は、従来のSurface Goシリーズとの製品レンジの重複を想起させる。しかし今回の小型Surface Proは、Snapdragon Xや高品質ディスプレイの搭載、さらにプレミアム仕様とされる点から、単なる廉価モデルではなく、異なるターゲット層を想定していると解釈される。
特に均一なベゼルや丸みを帯びたディスプレイデザインなど、iPad的な意匠が加わることで、持ち運びや見た目を重視する層に訴求する意図があると考えられる。
Surface Goシリーズはコスト重視と教育用途向けに設計されてきた一方、今回の小型Proモデルはビジネスやクリエイティブ用途も視野に入れており、12インチというサイズに再び本格参入する姿勢が読み取れる。モバイル環境での高性能ニーズが高まる中、iPad ProやMacBook Airといった他社製品との競合も視野に、Microsoftが設計思想を再構築している可能性は否定できない。
12インチというサイズは、軽量性と作業性のバランスを求める層にとって、今あらためて注目される領域となっている。
Source:Windows Central