Microsoftは、2025年1月下旬以降のWindowsアップデート適用後に発生していたUSB接続プリンターの誤作動問題に対し、3月のプレビューアップデートKB5053643およびKB5053657で修正を実施した。Windows 10および11の対象バージョンで、印刷時に「POST /ipp/print HTTP/1.1」などのランダムなヘッダー文字列が出力される現象が報告されていた。
この問題は特にUSB経由でIPPを併用するデュアルモードプリンターで多発しており、プリンターの再接続時や電源投入直後に発生する傾向があった。MicrosoftはKnown Issue Rollback機能により、法人向けデバイスへの先行的な対応も進めている。
修正内容は4月のPatch Tuesdayでの累積更新にも含まれる予定であり、企業の印刷業務やRDS接続への影響を鑑みれば、アップデートの早期適用が不可欠となる。
3月のプレビュー更新で修正された不具合の全容

2025年1月29日公開のWindowsプレビューアップデートKB5050092以降、一部のWindows 10(22H2)およびWindows 11(22H2・23H2)搭載デバイスで、USBプリンターがランダムなデータやネットワークコマンドを印刷する深刻な不具合が確認されていた。
印刷スプーラーが送信するIPPヘッダー情報をそのまま出力してしまい、正常な印刷が妨げられる事例が複数報告されていた。この事象は特にIPP over USBに対応したデュアルモードプリンターで再現性が高く、プリンターの再接続や電源投入直後に頻発する傾向があった。
Microsoftはこの問題を3月の非セキュリティプレビューアップデートKB5053643およびKB5053657で修正した。これらの更新プログラムはオプション提供の位置付けだが、適用しない場合も4月の定例アップデート(Patch Tuesday)で自動的に配信される仕組みとなっている。リリースヘルスダッシュボードでは、「重要な修正を含むため、可能な限り早期のアップデート適用が望ましい」との方針を明示している。
Known Issue Rollbackの運用が示す企業向けサポートの方向性
Microsoftは法人利用環境における影響を最小限に抑えるため、Known Issue Rollback(KIR)機能を通じてUSBプリンター問題の緊急回避を図った。KIRはWindows Updateで配布された問題のあるコードをサーバー側で無効化し、ローカル端末には追加の操作なしに修正を反映できる仕組みである。
今回のようにエンタープライズ環境で業務が直接影響を受ける印刷障害には、迅速なロールバック対応が求められる。
こうした対応から見えてくるのは、Microsoftがアップデートの信頼性と企業運用の安定性の両立に本腰を入れている点である。特に印刷という日常業務の根幹に関わる機能の不具合は、在宅勤務やサテライト拠点など多様化するワークプレイスにおいて看過できないリスクを孕む。
MicrosoftがKIRと通常のアップデートチャネルを組み合わせることで、リスクの封じ込めと平常業務の継続を両立させようとする意図が読み取れる。
Source:BleepingComputer