AMDが先月投入したRyzen 5 9600が、初期のPassMarkベンチマークにおいて上位モデル9600Xとほぼ同等の性能を記録した。シングルスレッドで4,433ポイント、マルチスレッドで29,369ポイントをマークし、いずれも9600Xに対し2〜3%の差にとどまっている。

両モデルは6コア12スレッドや32MBのL3キャッシュなど共通仕様を持ち、TDPも65Wと同一。差異は主にクロック設定にあり、Ryzen 5 9600の方がわずかに低速ながら、価格はおよそ20ドル安く設定されている。

前世代Ryzen 5 7600比ではシングルで約13%、マルチで約8%向上しており、X3Dモデルを除けば、コストパフォーマンス重視の選択肢として注目される可能性がある。

PassMarkスコアが示すRyzen 5 9600と9600Xの性能差と共通点

初期のPassMarkベンチマークにおいて、Ryzen 5 9600はマルチスレッドで29,369ポイント、シングルスレッドで4,433ポイントを記録し、Ryzen 5 9600Xとの差はそれぞれ2.2%、3.2%にとどまっている。

両モデルは6コア12スレッド構成、32MBのL3キャッシュ、TDP65Wという共通仕様を持ち、違いはクロック速度に限定される。Ryzen 5 9600はベースクロックで100MHz、ブーストクロックで200MHz低く設定されているが、それが性能に与える影響は最小限に抑えられている。

また、前世代であるRyzen 5 7600と比較すると、Ryzen 5 9600はシングルスレッドで約13.4%、マルチスレッドで約8.5%の向上を示しており、性能進化は確実に感じられる。

今回のテスト結果はまだサンプル数が限られているため、今後の集積データによって数値の信頼性が高まる可能性があるが、現時点でも非Xモデルとしては異例の健闘ぶりといえる。仕様上の差異を超えて、コスト面でのバランスに優れた選択肢として浮上してきた格好だ。

性能比と価格差が問うRyzen 5 9600の市場的立ち位置

Ryzen 5 9600は、上位の9600Xと比較して約20ドル安価に設定されながら、実性能ではわずかな差に留まっている。この点において、購入者の関心は価格対性能比へと強く傾くことが予想される。オーバークロックによる性能補完も可能ではあるが、これは9600Xにも同様に適用されるため、単純な伸びしろという点では評価が割れる可能性もある。

ゲーマー層にとっては、9600および9600XともにX3Dバリアントほどの魅力を持たないとされるが、汎用性と省電力性を兼ね備えた65W TDPの9600は、コンパクトな筐体や静音性を重視する構成において選択肢となり得る。

価格が200ドル前後と想定される中で、性能と消費電力のバランスを重視する層には支持を集めやすい。今後、Ryzen 9700や9950など上位SKUの展開が控える中、9600が担うべきは市場全体の土台を形成する普及価格帯としての役割といえるだろう。

Source:Wccftech