インテルが次世代ゲーミングCPU「Arrow Lake S」のリフレッシュを準備しているとされる。情報源のリークによれば、オーバークロック対応のKおよびKFシリーズを中心に刷新される見通しで、既存のCore Ultra 200シリーズ向けにも性能を引き出すBIOSプロファイルがオプトイン形式で提供される可能性が示唆された。

パフォーマンス面でAMD Ryzen 7 9800X3Dに後れを取っていたインテルは、このリフレッシュによりゲーミング市場の巻き返しを狙う構えだ。AI処理能力を強化するNPUの搭載も検討されているとされ、次世代Core Ultra 300シリーズへの布石とも受け取れる。

公式発表は未だなされていないが、ハードウェア性能とユーザーの期待との乖離を埋める動きとして、今後の展開に注視が必要である。

オーバークロック対応のKおよびKFシリーズ中心に刷新 性能引き上げ策も並行展開か

インテルが計画中とされる「Arrow Lake S」リフレッシュでは、KおよびKFシリーズに焦点を当てた高性能ゲーミングCPUが展開される可能性が浮上した。これらのモデルはオーバークロックに対応しており、従来よりもパフォーマンスを重視する層に向けた強化が見込まれている。

また、既存のIntel Core Ultra 200シリーズにもBIOSを通じた性能向上プロファイルが導入されるとされ、これまでのアップデートとは異なる「保証範囲内の性能プリセット」という位置づけが強調されている。

この情報はハードウェアリーカーのjaykihn0氏がX(旧Twitter)に投稿したもので、性能向上策が「オプトイン形式」で適用されることが特徴だとされている。

これは、すべてのユーザーに一律で適用されるのではなく、対応BIOSを導入することにより特定の最適化が有効となる設計を意味している。現時点で公式な仕様や対象モデルの詳細は明かされていないが、既存プラットフォームの寿命を延ばしつつ、競合への対抗策とする狙いも見える。

AMDに後れを取るゲーミング性能 刷新による戦略的巻き返しの成否は未知数

PCGamesNによると、インテルの既存製品、特に「Intel Core Ultra 7 265K」はゲーミング性能において「AMD Ryzen 7 9800X3D」に競り負けている現状にある。

このRyzenシリーズはX3Dキャッシュ構造を武器に、特にゲーム用途において優位なパフォーマンスを実現しており、価格帯も479〜487ドルという競争力のある設定がなされている。こうした状況下でのArrow Lake刷新は、性能だけでなくブランド信頼回復に向けた重要な一手と見なされる。

ただし、今回の刷新が明確な競争力の向上に繋がるかは未知数である。オーバークロック可能な上位モデルやBIOSによる最適化は、特定のユーザー層には魅力的であっても、エントリー層や一般ユーザーへの訴求力は限定的となる懸念がある。

また、次世代のCore Ultra 300シリーズにおけるNPU搭載の可能性も示唆されているが、それが実装段階に達しているのかは不透明であり、市場全体への影響も読み切れない。競争環境が激化する中で、性能以上に戦略的判断の精度が問われる局面にある。

Source:PCGamesN