NVIDIAの最新ラップトップ向けGPU「RTX 5090」が、Razer Blade 16上でのベンチマークにおいて、RTX 4090を大幅に上回る性能を記録した。YouTuberのDave2Dが公開したテスト結果では、「ホグワーツ・レガシー」において最大65%、「Marvel Rivals」では48%のフレームレート向上が確認され、DLSS 4およびマルチフレーム生成(MFG)技術を用いた比較では、最大2.5倍に迫る性能差が示された。

特に注目されるのは、DLSSやMFGといった補助的な処理を介さずとも、RTX 5090単体での描画能力が大きく進化している点である。ただし、MFGは反応速度が求められるゲームには不向きとされ、適用分野の見極めが必要となる。今後のゲーム開発やノートPC市場に与える影響が注視される。

RTX 5090ラップトップが各ゲームで見せた圧倒的優位性

NVIDIAの最新モバイルGPU「GeForce RTX 5090」は、Razer Blade 16に搭載された状態でベンチマークテストに臨み、前世代の最上位モデルRTX 4090を複数のタイトルで大きく引き離した。

特に「ホグワーツ・レガシー」では、1600p・レイトレーシング・ウルトラ設定という高負荷環境下でも65%のフレームレート向上を記録。「Black Myth: Wukong」でも1440p設定にて33%の性能差が認められ、他にも「Marvel Rivals」では48%の向上が報告されている。

さらに、DLSS 4およびマルチフレーム生成(MFG)を併用した際には、RTX 5090はRTX 4090に対し最大2.5倍のフレーム生成性能を発揮しており、これはDLSS 3世代との技術的進化を如実に示している。

YouTuberのDave2Dによるベンチマーク結果をNotebookcheck.netが取り上げ、世界的な注目を集めた背景には、単なる数値の伸びにとどまらず、RTX 5090が現実のゲーム環境でどのような体験をもたらすかという実証的な側面がある。

一方で、「Cyberpunk 2077」ではRTX 5090とRTX 4090の差が12%に留まり、すべてのタイトルで大差がつくわけではない。DLSSやMFGの活用状況、最適化の度合いがパフォーマンスに影響を与えることを示す事例となった。

MFGとDLSS 4の進化がもたらすパフォーマンスの真価と限界

RTX 5090の注目すべき点は、単体のハードウェア性能に加えて、DLSS 4およびマルチフレーム生成(MFG)との組み合わせによって新たな描画体験を提供し得る点にある。

従来のDLSS 3が1フレームごとのAI補完に依存していたのに対し、DLSS 4とMFGは複数フレームを統合的に処理することで、より高効率な描画とフレーム生成を実現した。その結果、「Marvel Rivals」ではRTX 5090がRTX 4090に比べて2.4倍もの速度でフレームを出力するという、従来では考えにくい飛躍が観測された。

ただし、この技術がすべてのゲーム体験を等しく向上させるとは限らない。Dave2Dの指摘によれば、MFGは瞬時の反応を要求する対戦型ゲームには適さず、滑らかさよりも遅延の少なさが重視される場面では逆効果となる可能性もある。また、低いベースフレームレート環境では、MFGを適用しても根本的なパフォーマンスの問題を解消できない。技術的優位は存在するが、万能性を保証するものではない。

このように、DLSS 4とMFGは現代のGPU戦略において中核を成す要素となりつつあるが、その活用にはゲームジャンルや設定との適合性が問われる。次世代GPUの真価は、単なるベンチマーク数値の高さではなく、ユーザーのプレイ体験をどこまで向上させられるかという実効性によって測られる段階に入りつつある。

Source:TweakTown