NVIDIAは、SK hynix製の8-Hi HBM3Eメモリを搭載した新型AI GPU「H20E」を発表した。これにより従来モデルの96GBから144GBへとメモリ容量が拡張され、AI処理性能の向上が期待されている。8層構造のHBM3Eスタックが正式採用されるのは今回が初めてである。

SK hynixは、NVIDIAからの追加注文を受け供給準備を進めており、業界関係者によれば早ければ今月中にも出荷が始まる可能性がある。これにより、同社のHBM年間供給量は従来の90億ギガビットから100億ギガビットに迫る勢いで拡大する見通しだ。

H20Eの市場投入は数ヶ月以内とされ、今後のAI向けGPU市場の競争においてNVIDIAの優位性をさらに強固にする可能性がある。

HBM3Eの「8-Hi」構造採用が示す次世代AI演算の方向性

NVIDIAが発表した新型H20E AI GPUには、SK hynix製のHBM3Eメモリが搭載されており、従来の96GBから144GBへと大幅に容量が引き上げられた。この拡張を実現する鍵となったのが、8層構造の「8-Hi」HBM3Eスタックであり、NVIDIA製品としてこの構造の採用は初の試みである。

従来の4-Hiや6-Hi構造では到達できなかったメモリ密度と帯域幅が可能となり、大規模モデルの学習や推論処理において演算効率が飛躍的に高まる。

供給元であるSK hynixは、NVIDIAからの追加注文に対応すべく体制を強化しており、早ければ今月中にも量産供給を開始する見込みとされている。ある業界関係者は、SK hynixがこの注文により事業拡張の機会を得たと語っており、年間供給量は既存の約90億ギガビットから100億ギガビット近くまで増加すると予想されている。これは、AI半導体におけるHBMの重要性がかつてない水準に達しつつあることを物語っている。

HBM3Eの本格導入によって、今後のAI演算はより多くのデータを同時並列に処理する方向へと舵を切ることになる。性能だけでなく電力効率や筐体設計にも影響を及ぼすこの技術の進化は、次世代AIサーバー設計にも大きな転換点をもたらす可能性がある。

SK hynixのHBM戦略に与える影響と成長圧力

NVIDIAからの8-Hi HBM3Eメモリの大量注文は、SK hynixのHBM供給戦略にとって転機となる動きである。従来の供給量が年間90億ギガビットとされていた中で、今回のH20E向け強化仕様への対応により100億ギガビット水準への拡大が見込まれている。特に「8-Hi」構造への対応は製造プロセスの難度が上がることから、SK hynixの生産能力と歩留まりへの圧力は相当に高まるとみられる。

この需要増加は一時的なものではなく、今後AI向けGPU全般で同様のスペックが標準となる可能性を踏まえると、SK hynixにとっては単なる増産対応では済まされない。HBM生産ラインの再設計や、パッケージング技術のさらなる高度化が不可欠となり、開発・製造コストの増大が収益構造に影響を及ぼす恐れもある。

にもかかわらず、他社をリードするHBM技術を保持しているという事実が、SK hynixにとっては差別化の鍵であり、価格競争力よりも技術優位性が評価される局面に入ったことを意味する。

NVIDIAとの連携を軸に今後のHBM事業を強化していくにあたり、SK hynixは供給面の信頼性と技術的優位性を同時に維持するという二重の課題に直面している。成長の機会と同時に試練を迎えた形である。

Source:TweakTown