Appleが2023年9月に「iPhone 13 mini」の販売を終了して以降、小型iPhoneの再登場は見込めない情勢となっている。Bloombergのマーク・ガーマン氏は、AppleがminiサイズのiPhoneを今後数年の間にラインナップへ復帰させる計画はないと述べた。
加えて「iPhone SE 3」の販売終了により、現在Appleが公式に提供する6インチ未満のモデルは存在しない状況となっている。最新の「iPhone 16e」も6.1インチディスプレイを採用しており、従来の小型志向のモデルとは一線を画す。
かつて一定の支持を集めた小型iPhoneだが、製品戦略の変化や市場需要の見直しを背景に、今後の選択肢としては現実的でない可能性が高い。
Apple公式ラインナップから姿を消した5インチ台モデルの行方

「iPhone 13 mini」の販売終了をもって、Appleが提供する5インチ台のスマートフォンは姿を消した。AppleInsiderの報道によれば、2023年9月に同モデルの販売が打ち切られ、「iPhone SE 3」も既に提供が終了している。現在購入可能な最小モデルである「iPhone 16e」ですら6.1インチディスプレイを搭載しており、かつての片手操作が可能な端末とは趣が異なる。
特に「iPhone 13 mini」は高さ5.18インチ、幅2.53インチと小型でありながらも、5.4インチのディスプレイを搭載していた点で高く評価されていた。Bloombergのマーク・ガーマン氏はライブQ&Aで、Appleが当面miniサイズの復活を計画していないと明言しており、これが事実であれば、5インチ台モデルの再登場は現時点で見通しが立たない。
Appleが小型デバイスを切り捨てた背景には、販売実績や収益性の問題があったと見られている。miniシリーズの需要が一部の層にとどまっていたことも、継続を断念する要因となった可能性がある。小型端末を好む利用者層が一定数存在することは事実であるが、大画面化の潮流と利便性の拡大に企業戦略が寄せられたことは否定できない。
Appleは今後、操作性よりも視認性と多機能性を重視する方向でラインナップを最適化していくと見られる。
小型スマートフォン市場が直面する現実とAppleの選択
Appleによるminiシリーズの終息は、小型スマートフォン全体の市場縮小を象徴する動きである。近年のスマートフォンは、動画視聴、ゲーム、SNS利用など多目的な使用が前提となり、画面サイズの拡大が避けられない設計思想となっている。こうした傾向はAppleに限らず、他社のフラッグシップモデルにおいても顕著であり、5インチ台のモデルは例外的な存在となりつつある。
一方で、「iPhone SE 3」のようなコンパクトかつ低価格帯モデルの終了は、エントリーモデルを求めるユーザーの選択肢を大きく狭める結果となっている。Appleが現在販売する最小モデルが「iPhone 16e」であるという事実は、ハードウェアの仕様や価格面で一定のハードルを生む。
小型端末を求めるユーザーにとって、公式ルートでの調達が不可能となった現在、他社製品や中古市場への流出が進む可能性もある。Appleがminiモデルの再投入に消極的な姿勢を示す一方で、ユーザーのニーズとの乖離が今後のブランド戦略に影響を与えるかは注視すべき点である。
限られたニッチ市場を切り捨てる判断は、効率性と収益性を優先する戦略の表れであるが、製品の多様性を求める声が再燃すれば、企業側の方針が再考される余地も残されている。
Source:AppleInsider