WTI原油先物5月物は、前日比0.60ドル高の69.60ドルで取引を終えた。トランプ大統領による関税姿勢の軟化や中国経済への期待感、ベネズエラ産原油への追加関税といった複合的な材料が買いを後押ししたが、ロシア・ウクライナ間の停戦発表が直後に崩れ、価格は一時68.52ドルまで下落した。

また、停戦署名直後に行われたロシアによるミコライウへのドローン攻撃は、市場の懐疑的な見方を裏付ける形となった。ホワイトハウスが示唆する「ビッグ・ビジネスニュース」の詳細が明かされておらず、トレーダーは今後の報道に対する迅速な対応を迫られている。

テクニカル的には70ドルを目前にバイアスは中立に転じており、新たな価格帯形成が注目される状況である。


ロシアの停戦違反とミコライウ攻撃が原油市場に与えた緊張

ロシアとウクライナの間で合意された停戦は、署名直後のミコライウへのドローン攻撃によって早くも実効性が揺らいだ。停戦合意が発表されたこと自体は一時的に市場のリスクプレミアムを押し下げたが、攻撃の報を受けて原油先物価格は再び下落し、68.52ドルの安値を記録する展開となった。これは、ロシアの外交手法に対する不信が根強く、投資家の警戒心が依然として高いことを示している。

特にミコライウはウクライナ南部の戦略拠点であり、同地域への攻撃は単なる挑発行為では済まされない。こうした行動により、停戦に対する市場の期待は一転して懐疑に変わった。20年以上にわたって外交交渉における虚偽や二重構造が露呈してきたロシアに対し、トレーダーは再び慎重なスタンスを取る必要が生じたといえる。

今後の報道次第では、原油価格のボラティリティが一段と高まる可能性が否定できない。公式な停戦発表が市場を一時的に安定させたとしても、軍事行動の継続は価格形成に新たな不確実性を加えることになる。

トランプ発言と中国経済の兆しが原油強気バイアスを支える要因に

WTI原油先物の反発は、米国の関税政策の転換と中国マクロ指標の改善兆候によって支えられた。トランプ大統領が表明した「ビッグ・ビジネスニュース」の予告により、経済政策への期待が強まり、市場にはリスク選好の動きが広がった。加えて、中国経済に対する回復期待が原油需要見通しを押し上げ、先物市場では買い戻しの動きが優勢となった。

ただし、この上昇には限界があるとの指摘も強い。実際、価格は70ドル目前で反落し、テクニカル的な壁が意識されている。Barchartはこの局面を「おいしい部分を取り終えた」と評し、現在の69ドル台におけるリスク・リターンのバランスには慎重な見方を示している。この価格帯では買い材料と売り材料が拮抗しており、新たな方向性は外的要因次第となる。

また、ベネズエラ原油に対する追加関税の影響も注視すべき点である。供給面での制約が続くなか、中南米の動向は米国市場に波及しやすく、地政学的リスクと経済政策が交錯する形で、当面は投機的な動きが強まりやすい地合いとなっている。

Source: Barchart