AppleがM3チップを搭載した新型iPad Airをひっそりと発表した一方、SamsungはGalaxy Tab S10+を同じく静かに市場投入。どちらも上位モデルの下位に位置づけられる準フラッグシップ機でありながら、それぞれ異なる哲学が反映された仕様となっている。

iPad Air M3は性能重視のM3プロセッサと新Magic Keyboard対応が注目点だが、ディスプレイやスピーカーに大きな刷新はない。一方のGalaxy Tab S10+はDimensity 9400+やAMOLEDディスプレイ、S Pen同梱など多角的な使い勝手を重視。ただしプロセッサ選定には疑問の声もある。

作業用途かメディア消費か、あるいは将来的な拡張性か。この2機種の違いは、単なるスペックの優劣だけでは測れない。

タブレット体験を左右するディスプレイと入力周辺機器の違い

iPad Air M3は11インチと13インチの2サイズ展開で、最大600ニトの輝度を持つ60Hz LCDを採用。Apple Pencil Proにも対応するが、筆圧やジェスチャー機能を備えたこのスタイラスは別売で、価格は129ドルとなる。一方、Galaxy Tab S10+は12.4インチのAMOLEDディスプレイを搭載し、120Hzのリフレッシュレートと650ニトのピーク輝度により、映像表現と操作の滑らかさで優位に立つ。

入力デバイスにも明確な違いがある。Galaxy Tab S10+はWacom技術を用いたS Penが標準で同梱されており、紙のような書き心地を実現。キーボードはキックスタンド型のBook Cover Keyboardを用意している。対するiPad Air M3は、浮かせて使える構造とファンクションキーを備えた新型Magic Keyboardに対応。ノートPC的な運用を想定するなら、後者の方が適しているという印象を受ける。

日常使いでの動画視聴やペン入力を重視するならGalaxy Tab S10+、文書作成や長時間の作業を視野に入れるならiPad Air M3という選択が妥当だろう。

処理性能とOSの最適化がもたらすワークフローの違い

iPad Air M3には、Appleの最新デスクトップ級SoCであるM3チップが搭載されており、MacBookシリーズと同等の処理能力を持つ。この性能は、音楽制作や動画編集、3Dデザインといった負荷の高いアプリにおいて真価を発揮する。一方、Galaxy Tab S10+はMediaTek Dimensity 9400+を採用しているが、これはスマートフォン向けのプロセッサであり、純粋な処理能力ではM3に及ばない。ただし、One UIと組み合わせた最適化によって、日常のマルチタスクには十分対応できる構成といえる。

OSの違いも作業スタイルに影響する。iPadOS 18はApple Intelligenceによる生成AI機能を備えつつも、Stage Managerの操作には依然として慣れが必要とされる。一方、Galaxy Tab S10+はDeXモードを通じて、Windowsライクなマルチウィンドウ環境を提供し、より直感的な作業が可能となっている。この点では、自由度を求める層にはGalaxy側の方が扱いやすく映るかもしれない。

処理性能とアプリエコシステムにこだわるならiPad Air M3、インターフェースの柔軟性を重視するならGalaxy Tab S10+という棲み分けが浮かび上がる。

Source:PhoneArena