Pixel 9シリーズを中心に、アラームが予定時刻に鳴らないという報告がここ数日で急増している。ユーザーの間では「アラームを作動できませんでした」というエラーメッセージや、勝手にオフになるといった挙動も確認されており、影響の範囲や発生条件には一貫性がない。
Redditなどでは「時計」アプリのアップデートや、GoogleのAIアシスタント「Gemini」の動作が原因との推測も出ているが、いずれも確証は得られていない。Googleからは現時点で公式な見解や対応策の発表はなく、ユーザーは旧端末や他のデバイスでのバックアップアラームを頼りにする状況となっている。
不具合の兆候とユーザー報告から見える実態

今回のアラーム不具合は、特にPixel 9シリーズで顕著に報告されており、「アラームが鳴らない」「遅れて作動する」「設定したはずがオフになっている」など、その挙動は多岐にわたる。中には「アラームを作動できませんでした」との警告が表示されるケースもあり、ユーザーが操作していないにもかかわらずアラームがキャンセルされている事例も存在する。
投稿が集中しているRedditでは、ここ1週間で同様のトラブルを訴える声が増えており、単発の不具合ではなく、一定の範囲で広がりを見せていることが明らかになっている。Google Pixelシリーズはこれまでもセキュリティ関連の不具合などを経験しており、今回のバグも突発的なものとは言い切れない。
特筆すべきは、問題の再現性が極めて低く、条件や端末状態との関連性が今のところ明確に示されていない点だ。アラームが動作するかどうかは完全に運頼みとなっており、使用者の生活リズムに重大な支障をきたしかねない。こうした予測不能な挙動こそが、この不具合の深刻さを物語っている。
原因不明の中で浮かぶアプリとAIアシスタントの影
アラーム不具合の原因について、ユーザーの間では「時計」アプリのアップデートが関係している可能性や、GoogleのAIアシスタント「Gemini」が複数アラームの制御に失敗したという推測が飛び交っている。どちらも plausible な線ではあるが、現段階でどの要因にも技術的裏付けは確認されていない。
「Gemini」が1つのアラームだけをキャンセルしようとした際に、すべてをオフにしてしまった可能性があるという意見もある。もしこの仮説が事実であれば、AIによる操作の信頼性に対して再考が求められる場面であり、自動化の利便性と引き換えに制御不能なトラブルを招くリスクが顕在化した例とも言える。
スマート機能が高度化する一方で、基本的な機能であるアラームが正常に動作しない事態は本末転倒である。根本原因の特定と対処がなされない限り、利用者は二重三重の対策を講じるしかなく、スマートフォンが日常のリズムを支える基盤としての信頼を失いつつある。
沈黙を貫くGoogleと拡がる不信感
3月26日時点で、Googleはこの問題についての認識も公式声明も出していない。ユーザーに向けた注意喚起や回避策の案内も皆無で、事態は完全に沈黙の中にある。このような対応は、トラブルの深刻度に対して著しく消極的であり、問題の放置とも受け取られかねない状況である。
Pixelシリーズの利用者は、時計アプリや端末設定の見直し、旧端末やスマートスピーカーを用いたバックアップアラームの活用といった自衛策をとっている。中には重要な会議や通院時間に遅れたという報告もあり、この不具合が日常生活へ与える影響は決して小さくない。
信頼性が重要視される基本機能において、対応の遅れがユーザーの不安や不信感を増幅させているのは間違いない。アラームという単純な仕組みだからこそ、そこに潜む不具合が露見した際の失望も大きい。早急な調査と修正対応こそが、信頼回復への第一歩となるはずだ。
Source:BGR