Pixel 9での登場が期待されていたAIアシスタント「Pixie」は、Geminiとの競合を避けるために開発が縮小され、その一部はPixel ScreenshotsやGeminiアシスタントに分割されたと報じられている。
現在は「Pixel Sense」として再構成され、Pixel 10に搭載される可能性が浮上している。これはユーザーの行動や関心に基づき通知や提案を行う機能で、Galaxy S25の「Now Brief」に近い仕様とされる。
消えたPixieの行方と分割されたAI機能の実態

2023年にPixel専用AIアシスタントとして注目を集めた「Pixie」は、当初、アプリ間を横断してタスクを完結させる高度なAIエージェントとして構想されていた。しかし、Google内部の戦略的判断により、Geminiとの競合を回避する形で計画は縮小されたとされる。The Informationの報告によれば、この決定にはGoogle CEOサンダー・ピチャイ氏の指示が関与しており、Pixieの開発方針は大きく方向転換した。
その結果、Pixieの核となる機能はふたつに分割されることとなった。ひとつはPixel Screenshotsアプリに搭載された画像認識ベースのAI機能、もうひとつはGeminiアシスタントに吸収される形での汎用的な機能である。これにより、「Pixie」という名称が示していた統合的なAI体験は姿を消し、Pixelシリーズ独自のAIとしての個性も曖昧になった。
アプリ横断の作業支援や個人に最適化されたサポートが期待されていたPixieが登場しなかったことは、ユーザーがPixelデバイスに求めていた革新性に対し、一部期待外れだった印象を残す。特定のブランドやモデルに限定されたAIの可能性が広がる一方で、その競合とのバランス調整が実現の障壁となっている構図が透けて見える。
Pixel Senseが目指す日常最適化のアプローチ
再構成されたAI機能「Pixel Sense」は、音声による対話型アシスタントではなく、スマートな通知と行動予測を重視した機能としてPixel 10に搭載される可能性が高いとされている。9to5Googleによると、このPixel Senseはユーザーの行動パターンを学習し、Chromeやカレンダー、マップ、YouTube、スクリーンショットなどのGoogle製アプリから情報を収集し、1日の中で最適なタイミングで提案を行う仕組みだという。
この設計思想は、Samsung Galaxy S25に搭載予定の「Now Brief」と類似しており、スマートフォンを個人の情報拠点とするトレンドに沿ったものといえる。ただし、Pixel Senseは音声操作に対応しないとされ、従来のアシスタント機能とは大きく一線を画す可能性がある。これはGeminiとの機能的な重複を避ける意図とも一致する。
Pixel Senseが本格的に機能するには、各アプリ間での連携とユーザー行動の正確な解析が前提となるが、現時点でその精度やカスタマイズ性についての情報は限定的である。これが通知の煩雑化につながるリスクもある一方、パーソナライズの質が高まれば、ユーザーにとって手放せない存在となる可能性もある。Google I/Oで明かされる詳細に注目が集まる。
Source:Tom’s Guide