Androidの人気機能「Circle to Search」に酷似した新機能を、AIスタートアップのPerplexityが披露した。Xに投稿されたデモでは、ユーザーが検索結果を円で囲んだ後、音声で追加情報を求める操作が確認できる。生成される回答はGoogleではなくPerplexity独自のAIが担っている点が注目だ。

Perplexityが公開した検索デモ 注目すべきは音声連携の進化形

PerplexityのCEOアラヴィンド・スリニヴァスが旧TwitterのXに投稿したデモ映像では、「Circle to Search」に酷似した操作が披露されている。映像では、ユーザーがアプリ上の検索結果を円で囲み、その対象に対してさらに音声で追加情報を求めるシーンが確認できる。これにより、視覚と音声の双方から検索を行うという新しい操作体系が提示された。Googleの「Circle to Search」はあくまで視覚的検索に特化していたが、Perplexityはそこに音声対話を融合させているのが大きな違いである。

また、生成される回答はGoogleのGeminiではなく、Perplexity独自のAIが担っている点も重要だ。検索結果に基づいた次の問いが、そのままシームレスに処理される仕組みは、手間を省くだけでなく思考の連続性を妨げない設計と言える。なお、現時点ではこの機能がアプリ内限定で動作するのか、OSレベルに統合されるのかは明かされておらず、汎用性の広がりについては今後の発表を待つ必要がある。

Android由来の直感操作にPerplexityが着目した理由とは

「Circle to Search」は2024年にGalaxy S24で初めて導入された機能で、対象物を円で囲むだけで即座に関連情報を取得できるという、極めて直感的な検索体験を提供する。Android端末の一部に限定されているとはいえ、使い勝手の高さからユーザーの支持を集め、機能自体が強く印象づけられた。Perplexityがこの操作に目を向けた背景には、検索の入り口を可能な限り簡素化したいというニーズへの応答があると考えられる。

特に近年の検索体験は、画面を切り替えたり、コピー&ペーストを繰り返したりする煩雑さが付きまとっていた。そうした中、目で見た情報を直接選択し、音声で掘り下げられる操作性は、従来の検索行動を根本から見直す機会を提供するものと言える。Perplexityがこの機能を自社の検索エンジンに組み込もうとしていることは、単なる模倣ではなく、検索に対するアプローチそのものを再定義しようとする動きとも捉えられるだろう。

正式リリースの時期と機能の適用範囲は未定 だが注視すべき理由

現在のところ、Perplexityによる「Circle to Search」風機能の正式なリリース日は明かされていない。アラヴィンド・スリニヴァスは「まもなく登場予定」と述べるにとどまっており、具体的なスケジュールや対応端末についての詳細は示されていない。また、今回のデモではアプリ内の検索結果に対して機能が動作していたが、それ以外のコンテンツ、例えばWebページや写真などにも対応するのかどうかは現時点で不明である。

とはいえ、この段階で既にユーザーが直感的に情報へアクセスし、AIと対話を通じて理解を深めていく体験を想定している点は見逃せない。仮にこの機能がアプリ内に限定されたものであったとしても、検索操作の新たなスタイルとして他社にも波及する可能性は十分にある。直感操作、音声連携、AIによる即応という三要素の組み合わせが今後の検索UIの標準となるかどうか、引き続き注視する必要がある。

Source:Android Authority