Nothingが再び、スマートフォンのデザインを一般から募る「Community Edition」プロジェクトを開始した。対象は今年発表されたPhone 3aで、外装デザインからUI、アクセサリー、マーケティング案までを4つの分野で募集する。締切は4月23日、採用者には約1,288ドルの賞金と6か月間の制作参加機会が与えられる。

昨年のPhone 2a Plusでは限定1,000台が即完売となっており、今年も注目が集まる。特に今回はコレクターズアイテムの提案が可能になり、企画概要も初日から全公開されるなど、参加の自由度と創造性がより高まっている。

Phone 3aが舞台となる4カテゴリの提案内容と応募要項

NothingはPhone 3a Community Editionプロジェクトを通じて、一般からアイデアを募る仕組みを再構築した。応募者が提案できるカテゴリは、ハードウェアデザイン、ソフトウェアデザイン、アクセサリーデザイン、マーケティングの4つに分かれる。外観に関するアイデアは色や素材、仕上げなどを通じて端末の印象を左右し、ソフトウェア領域ではウィジェットや壁紙、ロック画面の時計といった細部の表現に自由度が与えられる。

今年の特徴的な変更点として、アクセサリーカテゴリが正式に設けられたことが挙げられる。これによりストラップやフィギュアなどのコレクターズグッズの提案も可能になった。また、すべての企画概要が初日から一斉公開されたことで、応募者が締切の4月23日までにじっくりと構想を練ることができるようになっている。受賞者には£1,000(約1,288.76ドル)の賞金が与えられるほか、Nothingの開発チームとの6か月にわたる協働機会も用意されている。

昨年のPhone 2a Plus Community Editionはわずか1,000台の生産ながら即完売となり、今回のプロジェクトへの注目度も高い。Phone 3a版が何台製造されるかは現時点で公表されていないが、昨年の反響を踏まえると数量は限定的になる可能性がある。

ブランドを超えて“自分の一台”を作る体験の魅力

NothingのCommunity Editionは単なる限定モデルではなく、参加者がスマートフォンづくりの一部に加われるという特別な体験を提供している。色や素材、UIやアクセサリーまでを一般の発想で構成できる今回のプロジェクトは、既存の製品選択に満足できない層にとって強く響く内容といえる。特に「好きな世界観をデバイスに投影したい」という思いを抱える人々にとっては、自らの趣味や価値観を具現化する貴重な機会となる。

また、Nothingがこの取り組みに報酬と長期的なコラボレーション機会を設けた点も見逃せない。アイデアを応募して終わりではなく、実際に製品づくりに関わるプロセスに足を踏み入れられるという構図は、単なるユーザーと企業の関係を超えた共創の姿を感じさせる。

既製品に満足できないという欲求や、自分なりの工夫やこだわりを持ち込める空間を求める声は年々高まっている。Nothingのようにプロセス自体を公開し、参加型にするアプローチは、今後のプロダクトデザインのあり方にも影響を与える可能性がある。昨年の実績が今回の取り組みにどう反映されるのか、その過程も注視する価値があるだろう。

Source:Android Authority