マイクロソフトは2025年3月、PC向けのWindows Game Barを視覚的に刷新した。今回のアップデートでは、ホームバーや各種ウィジェットのデザインが軽量化され、線や色を排したミニマルなUIに進化。以前のツールバーにあった煩雑さが軽減され、ゲーム中でも直感的な操作が可能になった。
同週にはDiscordもUIを改良しており、ゲーム体験を支える周辺アプリに共通する視覚的トレンドがうかがえる。また、Xbox Cloud Gamingではホーム画面を経由せずに一部タイトル間でゲームを切り替える機能が実装され、利便性が向上。基本無料タイトルにおけるGame Pass特典の拡充も進んでおり、遊び方の選択肢がさらに広がっている。
よりシンプルで洗練された新UI Photoshop風の印象を脱却

2025年3月に発表されたWindows Game Barの新UIは、従来のグレー基調で無骨なツールバー風デザインから一転し、装飾要素を極力排したミニマルな外観へと移行した。ホームバーやキャプチャ、パフォーマンス、リソースなどの各種ウィジェットも同様に刷新され、色彩やラインを削減したことで、視覚的なノイズが減少。全体として、以前のAdobe Photoshopのツールバーに近かった無機質な印象が大幅に緩和された。
マイクロソフトはこの変更が「第一段階」であると明言しており、今後さらに視覚面での改良が続く可能性も示唆されている。見た目の変化に加え、ゲーム起動やリソース確認といった基本操作も洗練されたUIの中でより直感的に行えるようになり、ゲーム中でもスムーズな操作が可能となった点は実用面でも大きな変化といえる。
このタイミングで、Discordも完全なダークモードオーバーレイとUI再編を導入しており、ゲーム中の利便性を高めるツール群において、軽量かつ視認性重視のUIが潮流となっている兆しがある。
クラウドゲームの切り替えがよりシームレスに 現時点では一部対応に限定
Xbox Cloud Gamingの新機能として追加された「ホームに戻らずにゲームを切り替える」機能は、操作性の向上に大きく寄与する可能性がある。現段階では『アサシン クリード』シリーズの一部タイトルに限られているが、プレイ中にUI操作を挟むことなくゲーム間を移行できるのは、クラウドゲームならではの特性を活かした試みといえる。
従来のクラウドゲームでは、プレイタイトルの切り替えにおいて一度ホーム画面へ戻る必要があったため、没入感が中断されがちだった。今回の新機能により、その一連のフローが簡略化されることで、よりリアルタイムな切り替えが期待される。
マイクロソフトは今後、他のタイトルでもこの機能を展開していく方針を示しており、「自分のゲームをストリーミングする」機能の拡充も並行して進行中である。ただし、現時点では対応タイトルが限られており、環境全体の利便性向上には段階的な実装が不可欠となる。
Game Pass特典が基本無料ゲームに拡大 WarzoneやValorantも対象に
XboxはGame Passを通じたゲーム内特典の提供範囲を広げ、基本無料ゲームにまでその対象を拡張した。対象には『Heroes in the Storm』や『Call of Duty: Warzone』(4月対応予定)などが含まれており、従来の有料タイトル中心の特典提供から、プレイヤー層の裾野を広げる狙いが見て取れる。
今回の特典では、『Overwatch 2』『Valorant』といった人気タイトルでも、スキンやキャラクター、ゲーム内通貨といった報酬が得られるようになる。これにより、無課金でのプレイを基本とするタイトルでも一定のプレミアム感が付与され、遊びの幅が広がる。
今後、こうした特典がさらなるタイトルへと展開されれば、Game Passの価値は月額課金以上に感じられるようになるだろう。一方で、特典内容や配布タイミングによっては、既存プレイヤー間での不公平感が生じないよう配慮が必要となる局面も出てきそうだ。
Source:The Verge