Microsoftが現在開発中のWindows 11「25H2」アップデートに関する最初の詳細が判明した。ビルド26200系統に関連する修正として、IP印刷による誤出力や初期化時のバージョン誤表示など、実用面で支障をきたすバグへの対応が進められている。
さらに、設定画面ではCPUやメモリなどのハードウェア情報が確認できるようになる見込みで、導入初期の利便性が向上するとされている。また、新しい仮想キーボードではゲームパッド風のレイアウトが可能となり、特にSurfaceシリーズのタッチ操作環境での活用が期待される。
新機能群は段階的に展開される予定で、正式なリリースは2025年秋頃になるとの見方もある。コードネームは未確定だが「25H2」となる可能性が高く、新プラットフォームへの移行を示唆する声も一部で上がっている。
IP印刷の誤作動とバージョン誤表示の修正 「使えない」を解消するアップデートの本質

Windows 11「25H2」アップデートにおいてMicrosoftがまず着手したのが、日常使用に直接支障をきたす既知のバグへの対応である。特に、USBプリンターで意図しないテキストが印刷されるIP印刷の不具合は、特定の環境で頻発していたとされ、業務用途を含む多くのユーザーにとって無視できない問題だった。この問題に対する修正が組み込まれたことは、Windows 11の安定性向上において重要な一歩といえる。
加えて、システム初期化時に発生するバージョン番号の誤表示も今回の修正対象に含まれる。実際にはビルド26200であるにもかかわらず、26100と表示される不具合は、復旧時の混乱を招く要因となりかねなかった。こうした不整合が修正されることにより、信頼性の高いOS環境が整っていく過程が伺える。
不具合の修正は派手なアップデートとは言い難いが、こうした地道な改善がOS全体の質を押し上げる。新機能に目を奪われがちな中で、日常的な操作の中でユーザーを悩ませる細部への対応こそ、長期的な満足度に直結する部分と考えられる。
新たなハードウェア情報表示とゲームパッド風キーボード 利便性と遊び心の両立を目指す構成
Windows 11「25H2」では、設定アプリ内「バージョン情報(About)」セクションが拡張され、CPUやRAMといった基本的なハードウェア情報が直接確認できる仕様となる見込みだ。これにより、PCに詳しくないユーザーでも自分の環境を把握しやすくなり、トラブル対応やアップグレード検討時の判断が容易になる。特に中古端末や法人向けモデルを個人で使うケースでは、有用性が高い。
一方、注目を集めているのが仮想キーボードの新モードだ。タッチ操作に特化したこの新機能では、ゲームパッドのレイアウトに似たUIが提供され、操作性と視認性の両立が図られている。Surfaceシリーズのようなタブレット端末において、ソフトウェアキーボードが主な入力手段となる状況では、このような設計が快適な使用感につながる可能性がある。
一見遊び心に見えるUI変更だが、操作性を高める工夫として実装されたと考えるべきだろう。エンタメ用途だけでなく、外出先での作業やブラウジングでも指先で自然に操作できる設計は、今後のハイブリッド端末に向けた試金石ともなりうる。
「25H2」の展開時期とコードネームの不確定性 アップデートの方向性に対する関心の高まり
Notebookcheckの報道によれば、Windows 11「25H2」アップデートの正式なリリースは2025年9月から10月頃と予測されている。これまでのバージョン命名規則に従えば「25H2」となる可能性が高いが、現時点では公式なコードネームはまだ付与されておらず、「Selenium」や「Germanium」といった異なるプラットフォーム名も噂レベルで取り沙汰されている。
過去のアップデートでは、新機能やUI変更とともに、新しい基盤となるプラットフォームへの移行が行われるケースもあった。そのため、今回のアップデートも単なる機能追加にとどまらず、内部的なアーキテクチャ変更や最適化の布石となる可能性があるという見方も一部で出ている。ただし、段階的な機能展開が予定されていることから、すべての新要素が同時に解放されるわけではない点には留意すべきだろう。
リリースまで半年以上ある中で断定は難しいが、今後のWindows 11の方向性を占うアップデートとして、注視する価値は十分にある。特に既存端末への影響やパフォーマンス変化については、今後の情報公開によってその輪郭が明らかになると見られる。
Source:Notebookcheck