2024年に170%超の上昇を記録したNvidia(NVDA)は、2025年初頭の市場変調を受けて再び下落局面にある。年初来で16%超の下落、直近30日間では12%の下落を記録する中、火曜日にはさらに4.3%超の下落幅を見せた。

それでも、ゴールドマン・サックスは同社を「米国テクノロジー・オポチュニティ株式ポートフォリオ」の中で依然トップ5に位置付け、193のヘッジファンドも保有を継続している。AIクラウドの成長やCoreWeave支援など戦略的展開も進行中で、アナリストの93%が「買い」と評価。高騰の反動が注目される今、Nvidiaは依然として市場の注視を集めている。

株価下落の中でも評価を維持するNvidiaの市場ポジション

Nvidia(NVDA)は、2024年に170%超の株価上昇を記録し、AI関連の中核企業として市場の期待を一身に集めた。しかし2025年初頭には地政学リスクや景気減速懸念により、株価は30日間で12%の下落、年初来で16%以上の値下がりを見せた。火曜日の取引でもさらに4.3%超下落しており、短期的には大きな売り圧力に晒されている。

それでも、ゴールドマン・サックスはNvidiaを「米国テクノロジー・オポチュニティ株式ポートフォリオ」の中で依然トップ5に据えており、193のヘッジファンドもその見解に同調する形で保有を継続している。これはNvidiaの基礎的な競争力、特にAI分野における不可欠な立ち位置が評価の根拠となっていることを示している。

このように短期的な市場の不安定さがあっても、機関投資家の長期的な視点ではNvidiaの構造的優位が崩れていないと見なされている。短期のボラティリティに過度に反応する個人投資家とは対照的に、機関投資家はむしろこの局面を買い増しの好機と捉えている可能性もある。

CoreWeave支援を通じたAIクラウドへの布石

Nvidiaは2025年に入り、AIクラウド領域での影響力を一段と高めようとしている。その代表例が、AIクラウドサービスを手掛けるCoreWeaveへの支援である。同社は既にIPO申請を行っており、40億ドルの資金調達が見込まれている。この動きにより、Nvidiaは単なる半導体メーカーにとどまらず、AIクラウド基盤の構築者という新たな立場を築きつつある。

こうした支援は、自社製GPUの需要を外部成長に連動させる狙いと読み取れる。CoreWeaveの成長が加速すれば、Nvidia製品の採用も一段と進み、収益の波及効果をもたらす構造が形成される。その意味で、今回の支援はNvidiaのAIエコシステムを広げる中核戦略といえる。

また、AI分野でのクラウド基盤拡大は、ハードウェア依存からの脱却と、サービス収益の比率拡大にもつながり得る。これにより、景気変動の影響を受けにくい収益構造への転換も視野に入ってくる。Nvidiaは明らかにAIインフラの“黒子”としての地位を固めに動いている。

Source:Watcher Guru