Vivoが次期フラッグシップ「X200 Ultra」のカメラ性能を前面に押し出したティーザーを公開し、キヤノンEOS 5D Mark IVやiPhone 16 Pro Maxとの比較画像を提示した。搭載される35mmカメラと2基の独立した画像信号プロセッサー(ISP)、さらには光の照射範囲を自在に調整可能なLEDフラッシュにより、従来機では難しかった低照度環境での撮影にも新たな可能性が示されている。

一眼レフEOS 5D Mark IVと真っ向勝負 35mmカメラとLEDフラッシュの実力

Vivo X200 Ultraは、35mmセンサー搭載というスマートフォンでは異例のスペックに加え、デュアル画像信号プロセッサーと高機能LEDフラッシュを武器に、一眼レフカメラとされるキヤノンEOS 5D Mark IVとの比較に挑んだ。製品マネージャーのHan Bo Xiao氏が明かしたように、このフラッシュは照射範囲をコントロール可能で、従来の内蔵ライトよりも格段に自然な陰影表現が可能になるとされている。

記事内に掲載された比較写真では、X200 UltraがiPhone 16 Pro Maxを超える描写を見せつつも、EOS 5D Mark IVのようなフルサイズ一眼レフが持つ立体感や階調の滑らかさでは及ばないシーンもあった。とはいえ、低照度環境における明暗の描き分けや色再現性において、スマートフォンとしては高い完成度を誇る仕上がりとなっている。

静止画性能にここまで振り切った設計は、従来のスマートフォンの枠を超えた挑戦とも言える。限界が指摘されたとしても、このレベルの比較対象にEOS 5D Mark IVを選んだ時点で、Vivoが真剣にカメラ領域を狙っていることは明らかだ。

デュアルISPと光制御型フラッシュ スマホ撮影の常識をどう変えるのか

X200 Ultraには2基の独立した画像信号プロセッサーが搭載されており、これにより複雑なノイズ処理やリアルタイムHDR処理、色情報の最適化が同時並行で行える構成となっている。特に夜景や逆光環境での撮影では、明るい部分の白飛びと暗所の黒潰れを抑え、豊かな階調を保ったままの画像生成が可能とされる。

また、可変照射型のLEDフラッシュは、これまでのスマートフォン内蔵フラッシュの常識を覆す機能として注目されている。外部ライトのように光を拡散させることで、被写体に不自然な影を落とすことなく、より自然でプロフェッショナルな仕上がりを実現するという仕組みだ。

こうしたハードウェアの積み重ねは、単なる高画素化とは異なるアプローチでスマホカメラの性能を引き上げる試みであると考えられる。これにより、「撮ってすぐ共有」だけでなく「撮って残す」ことを前提とした写真体験が、より現実的なものとなる可能性がある。

iPhone 16 Pro Maxを上回る描写性能 だが本当の評価はこれから

記事内のカメラサンプルにおいて、X200 UltraはiPhone 16 Pro Maxよりも鮮明なディテールと豊かな色再現を見せている。とくに質感描写や背景のボケ感といった点では、iPhoneの処理とは異なるアプローチが取られており、演出ではなく実在感に重きを置いたチューニングが感じられる。

一方で、iPhone 16 Pro Maxが提供する動画機能やソフトウェア側の統合性などは今回の比較では含まれておらず、総合的な使い勝手の優劣はこの一枚のサンプルからは判断できない。また、Vivo側が公開した画像である以上、公平性を担保するには独立した第三者の評価が必要とされる。

現時点では、Vivo X200 Ultraが持つポテンシャルは確かに高く、一部の分野では既存のハイエンドスマートフォンを凌駕しているように見える。しかし実機レビューや多様なシチュエーションでの検証が進むまでは、その実力を語るにはまだ早い。来月の正式発表後が本当の勝負と言えるだろう。

Source:Notebookcheck