サムスンが開発中の次期フラッグシップ端末「Galaxy S26」に、2nmプロセスで製造されるExynos 2600が搭載される見込みとなった。これにより、同時期に登場予定のApple「iPhone 18」シリーズを性能面で上回る可能性が浮上している。

台湾メディアの報道では、TSMCの2nmラインが年末までに月産5万枚体制に到達する見通しで、Appleが最初の顧客になるとされる。ただし、iPhone 17は引き続き3nmチップを採用することから、Galaxy S26が世界初の2nmスマホになる可能性が高い。

Galaxy S26に搭載予定のExynos 2600が意味する2nm採用の先陣

サムスンが次期モデルGalaxy S26で採用を見込む「Exynos 2600」は、同社の2nmプロセス「SF2」で製造される予定とされる。これまで3nmプロセスすら他社より遅れを取っていたサムスンだが、今回の2nm採用においては先行する可能性が出てきた。報道によれば、TSMCは年末までに2nmプロセスの月産能力を約5万枚にまで引き上げる見込みだが、最初の供給先はAppleになるとの予測がある。

AppleはこれまでTSMCの最先端プロセスを常に初期導入してきた経緯があり、今回も例外ではないようだ。ただ、次期iPhone 17では引き続き3nmプロセスのチップセットを使用するため、2nm世代への移行はiPhone 18シリーズにずれ込むと見られている。Exynos 2600が実際に搭載されれば、Galaxy S26が2nm時代を開く先駆けとなる可能性が高い。

ただし、性能だけでなく歩留まりや発熱、消費電力などの最適化が進んでいるかは今後の注目点である。現時点では、TSMCの2nm試験生産における歩留まりが60〜70%を超えたとされており、量産に向けた体制は整いつつあるとされているが、Samsung側の具体的な進捗には触れられていない。

2nm化がもたらす性能向上と今後の期待

TSMCの2nmプロセスは、同社の現行3nmプロセスと比べて約15%のパフォーマンス向上が期待されている。この数値は、単に処理速度が速くなるだけでなく、バッテリー効率や熱管理といった日常的な使用感にも直接影響する。仮にGalaxy S26がExynos 2600を通じてこのアドバンテージを享受できれば、アプリ起動の高速化や高負荷時の安定性、バッテリー持続時間の改善といった実感に直結する要素が進化することになる。

Appleの「A20」プロセッサも同じく2nmプロセスを採用する可能性が高く、こちらはiPhone 18 Proシリーズでの導入が見込まれている。従来通りであれば、TSMCの最先端プロセスはまずAppleに割り当てられる傾向があるため、Galaxy S26がそれを上回るスピードで登場するかは不透明な部分が残る。

とはいえ、これまでの流れを踏まえると、Samsungが2nm世代で初の商用スマートフォンを実現できれば、端末選びにおける基準が変わる可能性もある。技術スペックに留まらず、ユーザーが日々体感する快適さこそが、2nm時代の本当の価値として問われることになるだろう。

AppleとSamsungの2nm競争に見える次の転換点

AppleはTSMCの2nmプロセスを用いてA20チップを開発中とされ、2026年までの段階的な量産計画も示唆されている。加えて、同社は今後4年間で米国内に5000億ドルを投資し、TSMCアリゾナ工場にも多額の資金を投じる計画を明らかにしている。こうした動きは、単なるプロセッサの進化に留まらず、自社製品への供給網を長期的に強化する戦略的な一手でもある。

一方、Samsungは製造技術の内製化に力を注いでおり、今回の2nm採用が現実のものとなれば、Appleのロードマップに先行する例外的なケースとなる。これまでAppleはプロセス技術において常に先頭を走ってきたが、サムスンがGalaxy S26でその優位性に挑む構図は、次世代スマートフォン市場に新たな緊張感をもたらす。

ただし、TSMCの2nm技術がApple以外の企業に本格供給されるのは2026年以降とされており、現段階での量産体制がGalaxy S26に即座に反映されるかは不透明である。いずれにせよ、2nmという新たな節目が、これまでのスペック競争の常識を変える転換点となる可能性は十分にある。

Source:Sammy Fans