量子コンピューティング関連銘柄であるRigetti Computing(RGTI)の株価が、2025年1月の急落後に再び上昇傾向を見せている。Nvidiaのジェンスン・フアンCEOによる「商業化は数十年先」との発言が引き金となり一時6ドル未満にまで下落したが、現在は9ドル台へと回復した。
同社のフォワードP/Sレシオは異例の260倍に達しており、市場が同社の将来的な成長ポテンシャルに強い期待を寄せていることがうかがえる。ただし、収益化の時期が不透明な中、今後の株価動向は製品開発や商業化に関する発表に左右される可能性が高い。
アナリストの平均目標株価は14.80ドルとされており、現在値から約75%の上昇余地があるとされているが、導入の進展状況次第では大きく変動するリスクも残されている。
フォワードP/S260倍の異例水準 市場が見込むRigettiの将来シェア

Rigetti Computingの株価は、現在フォワードP/Sレシオ260倍という異例の水準で取引されている。この数値は、現在の売上規模と比較して将来的な売上拡大を極めて楽観的に織り込んでいることを意味する。通常のテクノロジー企業であってもこの倍率は稀であり、Rigettiが量子コンピューティング市場で支配的な地位を獲得する可能性を市場が強く意識していると読み取れる。
ただし、同社を含むこの分野の企業は現在も赤字が続いており、商業化による実収益への道のりは依然として険しい。現時点での研究開発は成果を上げているが、具体的な製品が市場でどれほど受け入れられるかは明確ではない。フアンCEOの発言が示唆するように、量子技術の本格普及は数十年単位の時間軸が必要となる見方も根強い。
したがって、Rigetti株の高倍率は市場の将来への期待を反映しているに過ぎず、現実の事業進展が伴わなければ現在の評価を正当化することは困難である。高倍率は成長期待の証左であると同時に、その期待が剥落した際の下落リスクも極めて大きい構造にあると言える。
投資家心理を左右する「タイミング依存型銘柄」としてのRigetti
Rigetti Computingの株価は、量子技術の進展状況や業界イベント、さらに著名経営者による発言に強く影響される「タイミング依存型」の性質を持っている。実際、2025年1月のNvidia GTCイベントにおけるジェンスン・フアンCEOの発言後、RGTI株は急落し、6ドルを割り込んだが、その後すぐに反発に転じている。これは、短期的なニュースが同社の株価に与える影響の大きさを物語っている。
Rigettiを取り巻く投資家心理は、量子コンピューティングが「次の破壊的技術」とされる一方で、その実現スピードに対しては慎重な見方が混在している。したがって、業績や財務指標よりも、次の技術発表や業界全体のセンチメントの方が株価を大きく左右する傾向がある。これは、成熟した産業とは異なる新興領域特有の不安定性と期待の同居である。
14.80ドルという現在のコンセンサス目標株価が示すとおり、上昇余地が大きいとの評価は残っているが、それを現実のものとするには、Rigetti自身による継続的な成果発信と市場への説明責任が問われる局面にある。短期的な騰落を繰り返すこの銘柄においては、ニュースの波に乗るか否かが投資の成否を分けるだろう。
Source: Barchart.com