2024年第4四半期に過去最高の納車台数とエネルギー貯蔵導入を記録したテスラは、依然として株価が高値から43%以上下落した状態にある。市場平均を下回る動きに対し、Canaccord GenuityはテキサスのGiga工場視察を経て強気姿勢を維持し、目標株価を404ドルと設定。

納車予測の修正や生産制約の背景には、改良型Model Yの登場を待つ消費者心理が影響しているとされ、需要の後退ではないとの見解を示す。完全自動運転やロボタクシーの導入計画が進む中、投資家の忍耐が報われる可能性も否定できない。

営業利益は前年同期比で減少したが、エネルギー事業の好調と豊富なキャッシュポジションは、同社の長期戦略を支える土台として注目されている。


テスラの納車予測と生産制約に見る短期停滞の背景

Canaccord Genuityは2025年第1四半期の納車台数を36万2,000台と見積もり、従来の見通しから上方修正したものの、市場コンセンサスである41万7,000台には届かない。これに対し、同社は需要低下ではなく生産能力の制約を主因と分析している。特に改良型Model Yの発売を控え、購入を見送る顧客の動向が影響しているとされ、販売失速との見方は早計との認識を示している。

このような一時的な停滞は、車両供給の戦略的調整と製品サイクルに起因している可能性が高い。生産能力の拡張と同時に、製品刷新への期待感が高まる中、短期的な納車数の振れ幅は投資判断の主要な軸とはならない。むしろ、Canaccordが強気の評価を継続する背景には、テスラの製造面での機動性と、市場ニーズの変化に対する迅速な適応力があると考えられる。短期の数値に一喜一憂するのではなく、中期的な供給体制の確立に注視すべき局面である。

エネルギー事業の成長と財務体質に見るテスラの中核強化

2024年第4四半期、テスラは11.0GWhに及ぶPowerwallおよびMegapackの導入を実現し、エネルギー部門における過去最高の粗利益を記録した。この分野では、上海メガファクトリーの稼働開始により、2025年以降の供給能力がさらに拡大する見通しであり、年間成長率50%以上の達成も視野に入っている。加えて、フリーキャッシュフローは20億ドル、現金・投資資産は366億ドルと、財務基盤の堅牢さも際立っている。

このように、エネルギーソリューションを新たな収益の柱として育てる姿勢は、従来の自動車中心モデルからの脱却を象徴している。自動車部門の一時的な粗利益減少に対しても、リースやローン商品の拡充などで顧客アクセスのハードルを下げる施策が講じられており、全体としての成長ポテンシャルを損なってはいない。財務面でも潤沢な資金を確保しており、新製品・技術開発への投資継続が可能な体制が整っていることは、テスラの競争優位を裏付ける材料といえる。

長期戦略における製品多角化と自動運転技術の位置づけ

2025年から2026年にかけて、テスラは新たな車両群の投入を計画しており、既存および次世代プラットフォームを活用した柔軟な生産体制が構築されつつある。低価格帯の新型車の導入によって、より広範な市場層への浸透が狙われており、年間生産台数は300万台への拡大が目標とされている。また、完全自動運転(FSD)バージョン13.2.8の進展と、CybercabやSemiトラックといった新製品群の量産スケジュールも具体化してきた。

この動きは、単なる販売拡大ではなく、モビリティの将来像に対する明確な布石でもある。特に、2025年を「画期的な年」と位置づける姿勢からは、ソフトウェア主導のビジネスモデルへの転換を重視するテスラの経営思想が垣間見える。FSDやロボタクシーによるサービス収益の拡大は、製品単体の売上に依存しない収益構造への移行を意味しており、資本効率の改善にも寄与する。製造効率と技術革新の両立こそが、同社の成長ドライバーとして今後の評価を左右すると考えられる。

Source:Barchart