マイクロソフトは2025年3月25日に公開したWindows 11向けプレビューアップデート(KB5053657)において、USB接続プリンターが意味不明なランダム文字を大量印刷する不具合の修正を含めた。問題は1月末の更新で発生し、一部ユーザーから「憑りつかれたプリンター」と揶揄されていた。
この不具合は印刷資源を浪費するだけでなく、業務や家庭環境での混乱を招いていたため、軽視できない問題とされていた。修正は来月初旬に予定されているWindows 11バージョン23H2向けの累積パッチにも正式に組み込まれる予定である。
なお、今回のアップデートはあくまでテストを兼ねたオプション扱いであり、導入には注意が必要とされる。過去にもプレビュー段階で別の不具合を誘発した事例が存在するため、慎重な対応が求められる。
USB接続プリンターで発生した印刷異常の詳細とマイクロソフトの初動対応

2025年1月下旬に配信されたWindows 11の更新プログラムにより、特定のUSB接続プリンターでランダムな文字列が大量に印刷される不具合が顕在化した。原因は明かされていないが、デバイス起動時に印刷キューが異常動作し、制御不能な状態に陥る事例が相次いだ。被害は限られた範囲にとどまったが、物理的な資源と時間の損失をもたらした点で影響は看過できない。
マイクロソフトは問題を認識し、2025年3月25日にプレビュー版アップデート(KB5053657)として修正パッチをリリース。これは正式版に先駆けて公開される検証目的のオプション更新で、4月7日に予定されるWindows 11 23H2の累積パッチに正式に組み込まれる運びとなっている。今回の対応の速度は比較的迅速であり、同社が問題を深刻に捉えていたことを示す。
プレビューアップデートは導入が任意であり、企業や個人ユーザーの判断に委ねられている。現段階では副作用の有無も完全には確認されておらず、安定性を優先する現場では本格パッチを待つ姿勢が賢明とされる。
プリンター不具合の軽視は禁物 「笑えるバグ」の陰に潜む業務リスク
今回の印刷異常は「憑りつかれたプリンター」として一部で話題となったが、そのユーモラスな表現とは裏腹に、業務現場における混乱の火種となり得る深刻な問題を内包していた。印刷物の暴走はインクや紙の浪費にとどまらず、重要文書の印刷待機列を圧迫し、業務フロー全体に遅延をもたらす可能性がある。特に複数端末で1台のプリンターを共有している現場では影響が連鎖的に波及する。
このような“非致命的だが現実的な支障”に対し、迅速かつ明確な対処が求められる理由はそこにある。マイクロソフトの対応は一定の評価を得るが、本来であれば検証段階での発見・修正が理想であり、ユーザー側の負担軽減には至っていない。過去にも同社のアップデートが予期せぬ不具合を誘発した事例は少なくなく、今回の一件もその延長線上にあると捉えるべきであろう。
アップデートの導入は常にトレードオフを伴う。利便性と安定性を秤にかけながら、現場に即した慎重な判断が今後も求められる。
Source:TechRadar