サムスンがGalaxy S24シリーズ向けに提供したOne UI 7のベータ6が、韓国・インド・ドイツで配信された。今回のアップデートでは、サイドボタンからGeminiを起動できる機能や通話録音の要約表示、オーディオイレイサー、スケッチからの画像生成などが追加されたほか、ウィジェットの重なり表示やUIエラーといった複数の不具合が修正されている。
ファームウェアは「ZYCE」として提供され、内容はGalaxy Z Fold 6およびFlip 6のベータ3と共通。Android 15ベースのOne UI 7は、正式リリースを目前に控えており、このベータ6が最後となる可能性が高いとされる。
ベータ6に含まれる新機能と修正点の具体的内容とは

今回のOne UI 7ベータ6では、Galaxy S24シリーズ向けに複数の新機能と修正が加えられている。最も注目すべきは、サイドボタンからGeminiを呼び出せるようになった点だ。GeminiはGoogleが提供するAIアシスタントと見られており、従来の操作性に加えてAIによる補助的なインターフェースが組み込まれたことで、ユーザーの操作効率が向上する可能性がある。また、通話録音のサマリー表示機能により、過去の通話内容を要点だけで確認できるようになり、実用性も高まっている。
さらに、オーディオイレイサー機能の追加により、録音や再生時の雑音除去が可能となり、クリアな音声環境が実現される。Sketch to Imageの進化も見逃せない。これはユーザーの手描きスケッチをもとに画像を生成する機能で、より高精度なビジュアル化が可能となった。加えて、バグ修正も複数行われており、ウィジェットが重なって表示される問題やリアルタイム再生通知におけるUIの不具合などが対象となっている。これらは日常使用において煩わしさを感じさせる部分であり、ユーザー体験に直結する改善点といえる。
アップデートはファームウェアバージョン「ZYCE」として、韓国・インド・ドイツで提供されているが、その変更内容はGalaxy Z Fold 6およびFlip 6向けのベータ3と同一とされている。これにより、Galaxyシリーズ全体で機能や品質の一貫性が保たれていることがうかがえる。
安定版配信直前のベータ6が意味するサムスンの戦略的判断
サムスンがGalaxy S24向けに6回目となるOne UI 7ベータ版を投入した背景には、ソフトウェアの完成度を高める強い意図があるとみられる。Android 15をベースとする今回のアップデートは、単なる機能追加にとどまらず、UI全体の滑らかさや応答性の改善も含まれている。これにより、従来モデルからの操作性の違和感が軽減され、より自然なタッチレスポンスやアニメーションが体感できるようになる。
一方で、すでに4月7日には安定版の提供が始まるとされており、このタイミングでベータ6を投入する判断は異例ともいえる。これは、最後まで品質調整に時間をかけており、実際の利用環境での不具合を最小限に抑えようとする姿勢を示していると考えられる。バグ修正が依然として続いていることは、完成度への妥協がない証拠でもある。
また、今回のベータ6には大きなUI変更は含まれておらず、内容はむしろ安定化に重きを置いたものになっている。これはすでに機能面では完成形に近づいており、残る課題はユーザーからのフィードバックに基づいた微調整である可能性を示している。これらの動きから、サムスンはGalaxy S24シリーズにおけるOne UI 7を、完成度重視のアップデートとして仕上げようとしている様子がうかがえる。
Source:Android Headlines