Samsungの次期タブレット「Galaxy Tab S10 FE」および「Galaxy Tab S10 FE+」の詳細なスペック情報が、リーカーMystery LupinによってX上に投稿された。両モデルともExynos 1380プロセッサを採用し、S10 FEは10.9インチ、S10 FE+は13.1インチのLCDディスプレイを搭載。いずれも90Hzのリフレッシュレートに対応し、防塵・防水性能(IP68)や45W急速充電、最大2TB対応のmicroSDスロットなど、実用性に重きを置いた構成が目立つ。
AI機能やSペンの付属に加え、前面12MP・背面13MPのカメラも備え、ビジネスからエンタメまで幅広い用途を想定した設計となっている。価格はS10 FEが約579ユーロから、S10 FE+が679ユーロからと見られ、価格帯と性能のバランスに注目が集まる。
Exynos 1380と90Hz対応LCDがもたらすパフォーマンスと体験

Galaxy Tab S10 FEおよびS10 FE+の両モデルには、Samsung製のExynos 1380プロセッサが搭載される。中価格帯向けのこのチップは、日常的なアプリ操作から動画視聴、マルチタスクまでをスムーズに処理できる設計となっている。また、両機種ともに90Hzリフレッシュレート対応のLCDパネルを採用しており、スクロール操作やUIの動きがより滑らかになる点も見逃せない。特に大画面のS10 FE+では、この表示性能の差が視覚的な快適さに直結する。
ディスプレイサイズはS10 FEが10.9インチ、S10 FE+が13.1インチと差別化されており、使い方に応じた選択が可能だ。動画視聴やゲーム、簡易なドローイングなど、用途によって体感の違いは大きく、Sペンとの組み合わせによって手書きノートやイラスト用途も十分こなせる構成である。パネルの種類が有機ELではなくLCDという点は価格帯とのバランスを考えた設計と見られ、表示品質よりもコストパフォーマンスや耐久性を重視する層にとっては現実的な選択肢となる。
2TB対応の拡張性とIP68が示す使い勝手重視の設計思想
Galaxy Tab S10 FEシリーズは、内部ストレージが128GBおよび256GB構成で展開され、加えて最大2TBまで対応可能なmicroSDカードスロットを搭載する。これは動画や写真、アプリ、資料などの大量保存を求める使い方に対し、外部ストレージに依存しない柔軟な運用が可能であることを意味する。特にタブレットを長期的にメディアストレージとして活用したい場合や、編集用の素材を多数持ち歩くような用途にも適している。
さらに、IP68準拠の防塵・防水性能を備えており、キッチンや風呂場など水回りでの使用にもある程度の安心感が得られる。タブレットというカテゴリでこのレベルの耐環境性能を持つモデルは依然として少数派であり、これによって使用場所やシチュエーションの制限が減る点は魅力的だ。Sペン付属や45W急速充電の対応なども含め、実用性を前提とした設計が随所に見られ、スペック表の数値以上に日常での扱いやすさが意識されたモデルといえる。
価格とスペックのバランスに見えるSamsungの狙い
価格はGalaxy Tab S10 FEが約579ユーロから、上位構成で100ユーロ高くなるとされている。S10 FE+は8GBモデルで679ユーロ、12GB構成ではさらに100ユーロ高と見込まれており、どちらも上位タブレットとエントリーモデルの中間に位置する価格帯となっている。プロセッサや表示性能に最新技術を投入しつつ、有機ELではなくLCDを採用するなど、スペックの取り捨てに一定の戦略が見える構成である。
同梱されるSペンやAI機能の存在、IP68の耐久性など、数値では測りづらい付加価値をどう捉えるかが判断の分かれ目となりそうだ。価格に対する性能という点では、ライバル機種との比較で優位性があるとは断言しづらいものの、Samsungがこれらのモデルを通じて目指しているのは、汎用性と信頼性を両立させた“日常に馴染むタブレット”という位置付けではないだろうか。高負荷用途よりも、毎日の中で自然に使える体験が重視された構成が、その方向性を物語っている。
Source:Neowin