サムスンが出願した新たな特許により、縦型フォルムで部分的に折りたたまれるディスプレイを搭載した携帯型ゲーム機の存在が明らかとなった。ディスプレイを折りたたむことで、2画面構成に切り替わるこの設計は、ニンテンドーDSを彷彿とさせる点が特徴的である。すでにMWC 2025で横型プロトタイプ「Flex Gaming」が公開されているが、今回の縦型モデルは操作系を下部に分離するなど、より多彩なプレイスタイルの可能性を示唆している。
モバイルゲームとの親和性や、タブレットとしての活用も視野に入る構造から、新しいゲーム体験の創出が期待されるが、製品化の可否は現時点で不透明である。
折りたたみディスプレイが生む2画面体験 ニンテンドーDSの記憶を現代技術で再構築

91mobilesによって発見された新たなサムスンの特許では、縦長の折りたたみディスプレイが採用されており、画面の一部を折り曲げることで2つの独立した表示領域が出現する構造となっている。これは、2000年代に一世を風靡したニンテンドーDSを彷彿とさせる仕組みであり、上部にメインのゲーム画面、下部にマップやインベントリなどのサブ情報を配置するといった活用が想定されている。2025年のMWCで披露された横型プロトタイプ「Flex Gaming」が従来型のゲーム体験を重視していたのに対し、今回の縦型案はゲームプレイそのもののインターフェースに変化をもたらす設計と言える。
ただし、現在主流のゲームタイトルの多くは横向き画面を前提として設計されているため、縦型のインターフェースが主流となるには対応コンテンツの充実が前提条件となるだろう。とはいえ、モバイルゲームやクラウドゲームの進化と組み合わされば、これまでにないUI表現やマルチレイヤーな操作体験が生まれる可能性がある。懐かしさと未来的発想が同居するこの設計が、果たして現代にフィットするかは今後の動向に左右されるが、ハードウェアの側から遊び方を提案するアプローチとしては極めて挑戦的である。
PlayStation Portal風コントローラー搭載 可変スタイルがもたらす利用シーンの広がり
特許図面に描かれた本体の操作系は、PlayStation Portalに近い構成となっており、左右に広がるグリップ型のコントローラーが特徴的である。このスタイルは、長時間のゲームプレイに適した持ちやすさを提供する一方で、従来のスマートフォンやタブレットとは一線を画すゲーム特化型の佇まいを持つ。特許文書にはコントローラーが着脱可能かどうかについての明記はないが、仮にそれが実現すれば、本体を単体でタブレットのように使うことも視野に入ってくる。これにより、ゲーム以外の動画視聴やSNS、ブラウジングといった多用途化も期待できる構成である。
ただし、この構造がそのまま量産モデルに採用される保証はない。特許の段階では仕様や構成が変化することも多く、あくまで開発初期の設計案に過ぎない可能性もある。ただ、既にMWC 2025でサムスンが折りたたみ型ゲーム端末の試作機を披露していることを踏まえると、ゲーム体験の拡張に対する本気度は決して低くない。従来のフォームファクターに縛られないこのようなアプローチは、プレイスタイルや用途の幅を押し広げる可能性があり、特にオンデマンドで端末を使い分けたい層にとっては新たな選択肢となり得るだろう。
Source:Android Headlines