YouTubeが、通知の「すべて」設定を選んだチャンネルの中でも、最近視聴されていないものに限定してプッシュ通知を自動的にミュートする実験を一部ユーザー向けに開始した。通知疲れへの対策として、ユーザーの関与度に応じた通知の最適化を図る狙いがある。
端末に届く通知は制限されるが、アプリ内の通知欄には従来通り全て表示される。なお、アップロード頻度の低いチャンネルは対象外とされており、通知の完全な削減にはならない。通知設定のスマート化が、視聴体験にどう影響するかが注目される。
視聴履歴に基づき通知を選別 YouTubeが実験する新機能の仕組み

YouTubeが一部ユーザー向けにテストを開始した新機能は、「すべて」に設定されたチャンネルであっても、一定期間視聴がなければプッシュ通知を自動的にミュートするというもの。これは、熱心な視聴者が通知に埋もれて本当に必要な情報を見逃す状況を回避する意図がある。YouTubeアプリ内の通知欄では従来通り全件が表示されるため、通知そのものが消えるわけではない点がポイントだ。
この変更は、ユーザーの「関与度(engagement)」をもとに判定されており、視聴やコメント、いいねといったアクションが通知の判断材料とされていると見られる。また、動画のアップロード頻度が極端に低いチャンネルは制限対象外とされることで、通知の機会が少ないコンテンツに配慮されている。Android Policeが伝えるこの試みは、通知を受ける側の体験向上に加え、チャンネル運営者にとっても適切なリーチを維持するための仕組みとして注目される。
このような通知制御は、設定の手間を減らしながらも、利用者が自身の興味の移り変わりに柔軟に対応できる環境を整えるための布石と考えられる。通知の一律オフを防ぎ、必要な情報のみが届く状態を保つことは、配信と受信のバランスを見直すきっかけにもなるだろう。
通知疲れを軽減する狙いと、その限界
今回の自動ミュート機能の導入背景には、通知疲れという現代的な課題がある。スマートフォンが日常の情報窓口となっている現在、ユーザーが過剰な通知にさらされることは珍しくない。特に、かつて関心があったチャンネルから継続的に届く通知がノイズとなり、結果としてYouTube全体の通知を無効にしてしまう傾向があった。
この状況を回避するため、YouTubeは通知の受け取り方を能動的に変えるのではなく、ユーザーの行動を分析し自動で最適化するアプローチを採った。手動で通知設定を見直す手間を省き、自然な形で通知を絞り込むことで、視聴体験を妨げる要因を軽減できる可能性がある。ただし、視聴以外の関与が少ないが関心を持ち続けているチャンネルの通知がミュートされるリスクもあり、その判断基準の透明性には課題が残る。
また、通知が制限されるのはプッシュ通知に限定され、アプリ内通知には変化がないため、完全な静音化ではない。ユーザー側から見れば、通知の質は向上する可能性があるが、通知の消失に気付かないまま重要なアップデートを見逃す恐れも捨てきれない。柔軟性のある通知制御の第一歩として期待される一方で、通知の取捨選択に関しては、今後さらに精緻な設計が求められる場面も出てきそうだ。
Source:Android Police