Microsoftは、Windows 11の最新プレビューアップデート「KB5053656」において、AI駆動のセマンティック検索機能を実装した。この新機能は、従来のキーワード検索に代わり、ユーザーの意図や文脈を理解しドキュメントや画像などを高速かつ的確に探し出す。
対応機種は現時点でQualcomm Snapdragon Xシリーズ搭載PCに限られており、Surface Pro 11やLenovo Legion Slim 7xなどが対象となる。AMDおよびIntel製プロセッサへの対応は将来的に予定されているが、時期は未定である。
本機能は、NPU(ニューラルプロセッシングユニット)の活用によりSpotlightを超える可能性が指摘されており、4月4日のMicrosoft AIイベントでも注目を集めると見られる。
Snapdragon X搭載PCに限定された先行展開とマイクロソフトの意図

マイクロソフトが導入したセマンティック検索は、従来の文字列検索から脱却し、自然言語に近い記述によって目的の情報を迅速に抽出できる次世代型機能である。リコールやクリックして実行と並ぶ「Windowsの三大AI機能」と位置付けられており、Copilot+ PCに搭載されたNPU(40TOPS超)によるローカル処理によって、その性能は既存の検索エンジンとは一線を画す。
しかしながら、現時点での対応はQualcomm製Snapdragon Xシリーズを搭載したデバイスに限られている。具体的には、Surface Pro 11やLenovo Legion Slim 7xなどが該当機種となっており、AMDやIntelを用いた従来型PCは対象外である。
Windows InsiderのRelease Previewチャンネルで展開されているこのアップデートは、OSビルド26100.3624として公開され、今後数週間で一般向けにロールアウトされる見込みだ。
Microsoftは「他社プロセッサへの展開も間もなく始まる」としているが、なぜ先行展開がSnapdragon X限定であるのかは注目に値する。これは、AI処理能力を重視するCopilot+ PC戦略の一環であり、パートナー企業であるQualcommとの連携強化や、NPU活用に最適化されたハードウェア環境で先行実装を行うことに合理性があるとみられる。
AI検索の実力とmacOS Spotlightを超える可能性
新たに導入されたWindows 11のセマンティック検索は、.pdfや.docx、.pptx、.jpg、.pngなど幅広い形式のファイルに対応し、ユーザーが検索語を記述するだけで、その意味に関連したデータまで検索結果に含める。
たとえば「パスタ」と入力すれば「ラザニア」も対象に含まれ、画像も含めて表示される。インデックス作成はローカル上で行われ、プライバシーの観点からもクラウド送信は行われないという仕様が採用されている。
この検索機能の進化は、AppleのmacOSにおけるSpotlightとの比較において特に意義深い。Spotlightはこれまで自然言語処理や文脈理解において高く評価されてきたが、AIによる意味検索とNPUによる処理速度という点では、新たなWindows検索が性能で優位に立つ可能性がある。特に検索対象の範囲、文脈対応、リアルタイム性の点で、Spotlightを上回るという見方もある。
もっとも、現在の実装が一部の高性能PCに限定されていることから、広範な普及には時間がかかると見られる。だが、マイクロソフトが進めるAI中心のUX戦略がこの機能を軸に加速することで、今後のOS選定における競争構図が変わる可能性も排除できない。セマンティック検索は単なる機能改善にとどまらず、ユーザーインターフェースのパラダイム転換を促す起点となりうる。
Source:Windows Central