マイクロソフトは、2025年1月以降のWindowsアップデート適用後に発生していたリモートデスクトッププロトコル(RDP)およびリモートデスクトップサービス(RDS)の切断問題について、最新のプレビュー更新プログラムKB5053656で修正を施したと発表した。

具体的には、Windows 11 24H2からWindows Server 2016以前のRDSホストにUDP接続を行うと、約65秒後にセッションが自動切断される不具合が報告されていた。Windows Server 2025も接続元として影響を受ける可能性がある。

この問題は、2025年3月配信のKB5053598以降で報告件数が急増していた。同社は、修正内容を来月の累積更新で正式提供する予定であり、それまでの暫定策としてグループポリシーによるロールバック手段も提示している。

65秒後に切断されるRDPセッションの原因と対象環境

2025年1月以降に配信されたWindowsアップデートにより、RDPやRDS経由での接続が突如切断される問題が発生していた。とりわけWindows 11 24H2からWindows Server 2016以前へのUDP接続においては、接続開始から65秒後に自動的にセッションが終了する現象が多数報告されている。この不具合はUDP通信の取り扱いに関する仕様変更に起因すると見られ、TCP経由の接続では同様の問題は確認されていない。

影響はクライアント側のOSにも及び、Windows Server 2025自体はRDSホストとしては影響を受けないものの、接続元として機能する際には、旧バージョンのRDSホストとのセッションが予期せず終了する可能性がある。2025年3月のセキュリティ更新(KB5053598)適用後、問題の報告件数が急増したことから、更新プログラムの仕様変更との関連性が濃厚である。

こうした現象は、特に企業のリモートアクセス環境において生産性を著しく低下させる要因となり得る。マイクロソフトは問題を認識した後、KB5053656プレビューアップデートによって修正を行い、4月の累積更新での一般配信を予定している。

修正の提供スケジュールとIT部門に求められる対応策

マイクロソフトは今回の不具合に対し、2025年3月28日にリリースされたKB5053656プレビュー更新で暫定的な修正を提供した。この更新はWindows 11 24H2およびWindows Server 2025を対象にしており、更新によって発生していたリモート接続の切断問題が解消されるとしている。ただし、修正の正式提供は4月の月例累積更新での配信が予定されており、すべての端末に即時反映されるわけではない。

このため、IT部門やシステム管理者には、該当するプレビュー更新の優先的導入や、既知の問題を回避するためのグループポリシーによるロールバック設定の展開が求められる。特に企業ネットワーク環境では、RDPが多拠点の業務連携やサポート作業の中核を担っているケースも多く、断続的な接続障害は業務全体に波及しうる。

さらに今後も同様の互換性問題が生じる可能性を踏まえ、更新プログラム適用前の影響検証や、一時的な適用見送り判断の柔軟性を含む運用体制の再構築が必要となる。マイクロソフトの対応速度に依存しすぎない、能動的なリスク管理体制が求められる局面である。

Source:BleepingComputer