Qualcommは次世代フラッグシップSoC「Snapdragon 8 Elite Gen 2」の量産に向け、TSMCの最新3nmプロセス「N3P」を採用すると報じられている。CPU構成は前世代と同一ながら、最大5.00GHz駆動のPegasusコアを搭載し、ARMの最新命令セット「SME」「SVE」の導入によって性能の飛躍的向上が見込まれる。
新たに搭載される可能性があるAdreno 840 GPUや、マルチコア処理の最大20%向上といった仕様は、AppleのM4シリーズに迫る性能を示唆するものとなっている。製造はTSMC単独で行われる見通しで、Samsungの供給遅延が影を落とす一方、コスト増も懸念材料である。
加えて、Qualcommは2026年にTSMCの2nm技術を用いたさらなる2製品の投入を計画しており、今後もハイエンド市場での覇権争いが続くとみられる。
TSMCのN3PプロセスとPegasusコアがもたらすアーキテクチャ的進化

Snapdragon 8 Elite Gen 2は、TSMCの第3世代3nmプロセス「N3P」によって製造される初のQualcomm製SoCとなる見通しである。N3Pは従来の3nmノードと比較して、電力効率とトランジスタ密度において改良が施されており、エネルギー消費を抑えつつ高負荷演算に対応する最適な設計が可能となる。
また、Snapdragon 8 Eliteと同様の「2 + 6」CPUクラスター構成を維持しつつも、次世代のPegasusコアを搭載し、性能コアは最大5.00GHzで動作するという。
従来のSnapdragon 8 Eliteが4.47GHzであったことを踏まえれば、このクロック向上は単なる周波数強化にとどまらず、ピーク性能の大幅な底上げを意味する。
さらに、ARMのSME(Scalable Matrix Extension)をはじめとする新命令セットの採用により、AIやグラフィックス処理といった集中的な演算作業にも適応力を持つ。製造はSamsungではなくTSMCに完全依存する形となるが、N3Pにおける製造品質と安定供給能力を優先した判断とみられる。
Pegasusコアの具体的なアーキテクチャ詳細は明らかにされていないものの、Oryonコア系統との連携やARM命令セットの強化を踏まえると、QualcommはApple Mシリーズとの直接的な競争を視野に開発を進めていると考えられる。
SMEとAdreno 840による演算性能の強化と、ベンチマーク競争の構図
Snapdragon 8 Elite Gen 2は、ARMが提供するSMEおよびSVE(Scalable Vector Extension)を統合することにより、マルチコア演算時の処理効率を最大20%引き上げるとされる。この強化は、AI演算や画像処理、機械学習において顕著な性能向上をもたらす可能性があり、Apple M4の持つベンチマークスコアを脅かす存在となるかが注目される。
また、新たに導入が検討されているAdreno 840 GPUについては詳細スペックが未公開であるものの、QualcommのGPUアーキテクチャ進化の系譜を考慮すれば、ゲーム処理やディスプレイ描画性能の向上が主眼に置かれていると推察される。
AppleのSoCがGeekbenchなどで高いスコアを記録している現状を踏まえ、Snapdragon 8 Elite Gen 2は同等の指標で評価される可能性が高い。特にシングルコア性能においては、Pegasusコアの動作周波数とSME対応が相乗効果を発揮しうる。
ただし、現時点でベンチマーク結果は未公開であり、正式な評価には実機テストが必要である。SMEやSVEの実装は今後のAndroidデバイスにおける計算密度の指標となり、Qualcommは技術的差別化の手段として積極的にアピールするものと見られる。
GPU性能がどこまで進化しているかが明らかになれば、SnapdragonとAppleの間で進化の優劣が改めて問われることになるだろう。
Source:Wccftech