Nvidiaが初期製造トラブルを認めたRTX 50シリーズにおいて、ROP(レンダリング出力ユニット)が欠けたGPUが小売市場で依然流通していることが判明した。ドイツの大手販売業者「Alternate」は、Zotac製の不完全なRTX 5090 Solid OCをZotacへの返品ではなく、2,899ユーロという定価で“新品同様”として販売している。

欠損のない白色モデルが2,859ユーロで提示されているのに対し、欠陥品がそれ以上の価格で扱われていることには疑問が残る。購入者への補償は提示されておらず、在庫切れ状態であっても信頼性への懸念が強まっている。

加えて、RTX 50シリーズ全体ではドライバー起因のブラックスクリーンやGPU破損といった報告も続出しており、Nvidiaの対応と流通管理に再び注目が集まる可能性がある。

欠陥GPUの定価販売という異例の対応 Zotac RTX 5090の販売実態

NvidiaがROP欠損の不具合を認めたRTX 5090において、Zotac製カードを扱うドイツの大手小売業者「Alternate」は、Zotacへの返品措置を取らずに、定価2,899ユーロでの販売を選択した。

通常、こうした機能制限品はB級品やアウトレット扱いとされるが、同社は「新品同様」の表記を維持したまま販売し、結果的に消費者の誤認を招く状況を作り出している。対照的に、欠損のない白色モデルはわずかに低い2,859ユーロで提供されており、価格設定の根拠が曖昧なまま残されている。

この販売方法は、保証や交換対応を求めるNvidiaの公式方針とも整合性を欠く。購入者に対して補償や明示的な説明が一切示されていない点は、透明性の欠如を意味し、小売業者の倫理的責任が問われる可能性がある。GPUの価格が高騰し続けるなか、消費者が製品仕様や状態の見極めを迫られる事態が常態化している。今回の事例は、その象徴といえる。

RTX 50シリーズに相次ぐ障害報告 高性能化の影に潜む安定性リスク

ROPの欠損問題に限らず、RTX 50シリーズは複数の技術的問題を抱えている。特に、ドライバーに起因するブラックスクリーンの発生や、最悪の場合にはGPUの物理的損傷につながるケースが報告されている。Nvidiaはこれに対して修正パッチを配布するなどの対応を講じているが、Redditなどのコミュニティでは不具合報告が継続しており、根本的な解決には至っていない。

極めて高性能なGPUが求められる現代においては、パフォーマンスだけでなく、動作の安定性と品質管理体制が重視されるべきである。初期製造段階で発生したROPの欠損は、テスト工程や出荷判定基準の甘さを示唆する一例と捉えられかねない。

また、ドライバーの不安定さは、ソフトウェアとハードウェアの統合的な品質保証体制に対する信頼を揺るがす要因となる。今後、ハイエンドGPU市場における信頼獲得には、製品性能以上に、供給体制や障害対応の精度が問われる局面が増えるだろう。

Source:NotebookCheck