Googleは2025年3月29日、最新のAIモデル「Gemini 2.5 Pro」の試験運用版をすべてのユーザー向けに公開した。現時点ではWeb経由のみ利用可能で、モバイル対応も近日中に実装される見通しとなっている。無料ユーザーには厳しい使用制限が設けられており、本格的な活用には上位プラン「Gemini Advanced」への加入が推奨されている。
Gemini 2.5 Proは、特にコーディング・数学・科学の処理能力が強化されており、Aider Polyglotテストではコード編集分野で74%のスコアを記録、Claude 3.7を大きく引き離した。さらに長文コンテキストの処理力でもOpenAIを凌駕したとされる。Googleはこの高性能AIを企業ニーズに対応させるべく、数週間以内に商用利用向けの価格設定を導入するとしている。
Gemini 2.5 Proが示す技術的飛躍と強化領域の具体像

Gemini 2.5 Proは、Googleが投入した最先端AIモデルの中でも最も知的な設計がなされていると位置づけられており、特にコーディング、数学、科学の分野において高度な応答能力を発揮する。
実際、Aider Polyglotテストにおいてはコード編集に関する性能が74%という高スコアを記録し、Claude 3.7の64.9%を大きく上回った。こうした結果は、演算処理や構文理解、論理的推論の分野で同モデルが優位性を確立していることを示す指標である。
GoogleはGemini 2.5において、強化されたベースモデルと後処理トレーニングの改善を通じて、より高度な推論機能を搭載することに成功したと説明している。特筆すべきは、ユーザーの入力内容に対し、モデルの思考過程や推論の流れを可視化する機能である。
これは単なる応答生成にとどまらず、プロセスそのものを提示することで、利用者の理解や検証を支援する設計思想の表れでもある。さらに長文の文脈保持力でもOpenAIを凌駕しており、複雑なタスク処理やプロンプトの精度において大きな優位を築いている。
無償公開の狙いと「Gemini Advanced」への誘導構造
Googleは2025年3月29日より、Gemini 2.5 Proの試験運用版をすべてのユーザーに開放し、Gemini.Google.comからアクセス可能とした。ただし、この無償公開には厳しい使用制限が伴い、特に高負荷のクエリに対してはわずか数回で使用上限に達することがある。
具体的には「EU諸国の生活費比較」といったデータ集約型の質問で早期に制限が発生する。Googleはこうした状況を前提に、「Gemini Advanced」への移行を推奨しており、1か月間の無料トライアルを通じて利用継続への動機付けを行っている。
この戦略は、無償公開による裾野拡大と、上位課金プランへの誘導を両立させる設計と読み取れる。AI利用の定着には初期接点の創出が不可欠であり、利用者が制限を実感した段階で「よりよい体験」のための移行判断を促す構造となっている。
また、近く予定されている価格体系の導入は、特に企業利用者層を意識したものと見られる。高頻度・高負荷での活用を見込む業務環境においては、無料プランの制約では実用に耐えないことが明白である。Googleはこうした需要を捉え、AIの商用活用を拡大させる布石として本公開を位置付けている。
Source:Digital Trends