ARK Investment Managementが率いる複数のETFが3月28日に実施した大規模な売買により、同社の戦略的な銘柄選好の変化が鮮明となった。注目されるのは、Roblox株35万株超を売却し、2,000万ドルを超える資金を引き揚げた点である。これは今週初めの売却に続くもので、オンラインゲーム分野からの縮小姿勢を示している。
一方、Robinhood株24万株以上を約1,100万ドルで新規取得し、加えてクラウド分野のCoreWeave株も40万株超購入するなど、資金の再配分が進行している。テクノロジー株全体では売却傾向が続き、Genius Sports、Roku、Spotifyなどからも段階的に撤退している。
日々の売買は、ARKが市場環境の変動に即応しつつ、重点分野を選別している姿勢を示すものであり、ポートフォリオ戦略の一端を映し出している。
RobloxとSpotifyからの資金撤退が示す選別の明確化

ARKは2025年3月28日、Robloxの株式35万超を売却し、総額2,000万ドルを超えるポジション縮小を実施した。Robloxは今週初めにも売却対象となっており、この売却は単発ではなく継続的な調整の一環と見られる。また、Spotifyの株式6,625株、約380万ドル分の売却も行われており、ARKがエンターテインメント関連銘柄における比重を引き下げている状況が明らかとなった。
これに加え、Genius SportsやRokuといったテクノロジー分野の銘柄も同日に売却対象となっており、ARKのETFポートフォリオにおける「選別の精度」が高まっている様相である。特に、業績の安定性や成長可能性が不透明な銘柄への依存度を下げ、将来的な下振れリスクを回避する姿勢がうかがえる。個別銘柄ごとの取捨選択が進む中、過去に強気だった分野であっても再評価の対象となっている点は、今後の市場戦略の布石とも言える。
RobinhoodとCoreWeaveへの新規投資が映す構造転換
ARKは同日、Robinhood Marketsの株式を24万株以上取得し、投資総額は約1,100万ドルに達した。これは同銘柄に対して今週続けて買いを行っている流れの中での追加取得であり、ARKが同社のサービスモデルや成長余地を重視していると読み取れる。Robinhoodは個人投資家向けの金融サービスで知られ、近年では暗号資産取引やキャッシュマネジメント機能の拡充にも注力している。
また、クラウドインフラ分野のCoreWeaveにも約41万株の購入を通じて投資を実行しており、購入額こそ不明だが、その規模からは一定の戦略的意図があることがうかがえる。クラウドコンピューティングやGPUベースの演算環境の需要拡大を背景に、同分野は今後の技術インフラの中心とされる領域である。ARKが次の成長軸をクラウドとフィンテックに設定し、これまでのテック偏重型から一歩進んだポートフォリオの再構築を進めている兆しと見て取れる。
Source:Investing.com