Apple Watch Series 10のプロトタイプがリークされ、未発表の「ライトリング」センサーの存在が明らかとなった。心電図や血中酸素センサーの配置が見直され、これまでのモデルにはない構成となっている。内部OSはwatchOS 11.1を搭載しており、開発終盤まで新技術の試験が続けられていた可能性がある。

この未知の光学センサーは、血圧や血糖値といった非侵襲的な健康測定機能を視野に入れたものであるとの憶測が専門家の間で広がる。正式な発表はないが、Appleが次世代ウェアラブルで新たな医療用途を模索している兆しと受け取る向きもある。

SamsungやHuaweiが先行する中、Appleの慎重な開発姿勢が改めて浮き彫りとなったが、同時に同社が健康分野の革新を断念していないことを示す重要な兆候とも言える。

未発表センサー「ライトリング」が示すAppleの健康技術への布石

今回リークされたApple Watch Series 10のプロトタイプには、従来モデルにない「ライトリング」と呼ばれる新型センサーが搭載されていた。心電図(ECG)や血中酸素センサーの小型化と再配置が確認されており、これまでにない構造で光学センサーが追加されている。

watchOS 11.1を搭載する完全動作状態の端末でありながら、標準のヘルスアプリは非搭載であったことから、実験的な機能が実装されていた可能性もある。プロトタイプのビルド日が2024年10月であることを考慮すれば、Appleは製品発表直前まで新技術の評価を続けていたことが窺える。

「ライトリング」の具体的な用途は明かされていないが、専門家の間では非侵襲的な血圧測定や血糖値測定を狙ったものではないかという見方が広がる。Appleはこれまでにも医療用途への技術転用を模索してきた経緯があり、今回のプロトタイプもその延長線上にあると考えるのが自然だ。

ユーザーの負担を抑えながら高精度なデータ取得を目指す姿勢は、今後のウェアラブル開発において重要な指針となり得る。これまでのApple Watchが示してきた“進化の方向性”とは一線を画すものである。

Series 10の製品版が抱えた限界とプロトタイプが見せた可能性

市販されているApple Watch Series 10は、デザインの刷新こそあったが、ヘルスケア機能の進化は控えめなものにとどまった。本体の薄型化と画面の大型化が話題となった一方、心拍数や心電図、血中酸素といった既存の機能はSeries 9とほぼ同一で、劇的な変化を求める層には物足りなさが残った。

これはAppleが技術の信頼性や規制対応を重視するあまり、新機能の実装に慎重になった結果とも言える。このような背景の中でリークされたプロトタイプの存在は、Appleが裏側でいかに積極的な技術検証を重ねていたかを物語っている。

市場投入は見送られたものの、ライトリングセンサーが示す将来像は、単なるフィットネスツールを超えた医療グレードのスマートウォッチへの進化を示唆している。他社、特にSamsungやHuaweiが既に血圧や血糖値にアプローチしている中、Appleがどのような形でこの分野に踏み出すかが次期モデルの大きな焦点となるだろう。

守勢に見える現在の製品戦略の背後には、技術革新の準備段階が確かに存在している。

Source:PhoneArena