Appleの主要サプライヤーFoxconnが、2025年末までにインドでのiPhone年間生産台数を現在の約2倍に引き上げ、2,500万〜3,000万台の製造体制を構築する方針であることが明らかとなった。背景には、Appleが中国依存からの脱却を目指し、製造拠点の分散を進める中でインドを重要拠点と位置付けている事情がある。
2023年時点でインド生産比率は7%とも12〜14%ともされ、2024年には25%近くに達する可能性も指摘されている。Foxconnはすでにベンガルール工場で制限付き試験運転を開始しており、品質基準を満たした量産に向けた検証を進めている。政府の補助金支援も加わり、Appleのインド戦略は次なる段階へと動き出している。
Foxconnがインド拠点で最大3,000万台規模のiPhone生産体制へ

AppleInsiderの報道によれば、FoxconnはインドにおけるiPhone製造体制を2025年末までに倍増し、年間2,500万台から3,000万台の生産規模を構築する計画を進めている。この拡張は、インド南部ベンガルールに位置する新工場での「制限付き試験運転」を経て本格稼働へと移行しつつある。
2023年の実績ではインドでの製造台数は約1,200万台にとどまっていたが、わずか2年で倍以上に増やす計画は異例のスピード感といえる。Foxconnの拡張戦略は、Appleが掲げる「2028年までにiPhone生産の25%をインドで行う」という目標と一致しており、サプライチェーン再編の象徴的な動きと見ることができる。
なお、AppleはiPhoneの製造や販売台数を公式に公表していないが、2024年の販売台数を2億2,590万台とするCanalysの推計と照らせば、インドでの製造が占める割合は増加基調にあることが読み取れる。拡張の背景には、米中関係の不安定化に加え、インド政府による製造業支援政策や税制優遇措置の存在もあるとみられる。
Foxconnは高品質を維持しつつ大規模生産を実現できるかを見極める段階にあり、今後の量産フェーズでの進捗がApple全体の供給網に与える影響は小さくない。
中国依存からの脱却とインド製造の戦略的価値
Appleとその主要サプライヤーであるFoxconnがインドに注力する背景には、中国に偏重していた従来の製造体制への構造的なリスク認識がある。特に米中貿易摩擦の激化や地政学的リスクの高まりを受け、Appleは製造拠点の分散化を急速に進めており、インドはその受け皿として戦略的に選定されている。
ベンガルール工場での段階的な試験運転は、単なる量的拡張ではなく、品質を損なわずに高水準の大量生産が可能かを見極めるプロセスでもある。一方、Foxconnが製造ラインを急拡大させているという事実は、インド側の政策的後押しと歩調を合わせている。インド政府は自国における高度製造業の育成を目指し、補助金制度やインフラ整備に注力しているとされる。
こうした環境整備がFoxconnの大胆な拡張を可能にしている側面も見逃せない。ただし、報道内の情報筋やアナリストの間でも、インド製iPhoneの全体生産に占める割合については数字のばらつきが見られる。
2023年には7%との推定がある一方で、ミンチー・クオ氏は12〜14%、2024年には20〜25%との予測を示していた。いずれにせよ、インドがグローバルな製造ネットワークにおいて急速に存在感を高めているのは疑いようがなく、Appleの製造戦略における重心の移動を象徴する事例といえる。
Source:AppleInsider