TSMCは高雄で2nmプロセスを導入した新工場の拡張式典を実施し、4月より顧客からの注文を開始する。最初の顧客はAppleであり、来年登場予定のiPhone 18シリーズには、TSMC製2nmプロセスによるA20チップが搭載される見通しだ。
このA20は、現行の3nmチップと比較して15%の性能向上が期待され、業界では高い注目を集めている。TSMCの2nm技術にはナノシート構造のGAAトランジスタが初採用されており、処理能力と電力効率の両立が進む。
さらにTSMCは、2025年末までに高雄および宝山の工場で月5万枚の2nmウェーハ生産体制を整える計画だ。半導体市場の回復とAI需要の増加を背景に、同社の技術優位性はより強固なものとなりつつある。
Appleが先陣を切るTSMCの2nmプロセス採用とその技術的革新

TSMCは高雄にて2nmプロセス対応の新工場の拡張式典を実施し、4月より正式に受注を開始する運びとなった。中央通信社の報道によれば、この次世代プロセスの最初の顧客はAppleであり、同社は2025年発売予定のiPhone 18シリーズに搭載するA20チップを2nmベースで製造する。
A20は、現行の3nmプロセスと比較しておよそ15%の性能向上が見込まれており、演算処理の高速化と電力効率の改善が同時に実現される可能性がある。今回の2nmプロセスでは、「GAA(Gate-All-Around)」と呼ばれるナノシート型トランジスタ構造が初めてTSMCの製造工程に導入された。
この構造により、従来のFinFET型に比べて電流の流れがより制御しやすくなり、消費電力を抑えつつ処理性能の高い半導体設計が可能になる。特にスマートフォンのようなモバイル端末においては、バッテリー持続時間の延長と同時にアプリ処理速度の向上という相反する要件を両立させる鍵として注目を集める。
TSMCは既に2nmプロセスでの試験生産において60%超の歩留まりを達成しており、生産体制の信頼性も向上しつつある。Appleがこの新技術を最初に製品化へ進めることは、同社の設計主導型戦略の象徴であり、TSMCとの連携が今後さらに深化する契機となり得る。
半導体市場の地殻変動とTSMCの戦略的位置
2025年の半導体市場は、IDCが予測する通りAIチップ需要の高まりを背景に、回復から本格的な成長局面へと移行する見込みである。TSMCはこの波を捉える形で、2nmプロセスの量産体制を2025年末までに整える計画を明らかにしており、高雄および宝山の拠点で合計月5万枚の2nmウェーハを生産可能にする構想を持つ。
この規模は、競合他社を圧倒するものであり、先進的な製造技術を軸に市場シェアの拡大を狙う同社の意図を反映している。TSMCのファウンドリ市場における技術的優位は、単なる製造能力の高さにとどまらない。
同社はCoWoS(Chip-on-Wafer-on-Substrate)と呼ばれる高密度パッケージング技術にも強みを持ち、AIアクセラレータなどの先端用途においても高度なソリューションを提供できる体制を確立している。2025年末にはファウンドリ市場におけるシェアが37%に達するとの見方もあり、先端ノードを巡る競争で一歩先を行く存在としての地位が固まりつつある。
ただし、AMDやIntel、Broadcom、さらにはAWSなどの潜在的顧客も2nmプロセスへの関心を強めており、TSMCが他社とのバランスをどのように保つかが今後の焦点となる可能性がある。Appleに次ぐ採用企業の動向が市場全体の技術トレンドを左右する局面に入りつつある。
Source:Gizchina