Appleは2027年に登場予定の次世代iPad Proにおいて、独自開発の5Gモデム「C2」を搭載する見通しである。これは、2025年にiPhone 16eに導入された初代モデム「C1」の進化版で、ミリ波対応により理論値で最大6Gbpsの高速通信を実現する可能性がある。
モバイル作業やARなど高負荷な処理環境において、性能・省電力・安定性の三拍子を追求する構えだ。AppleはIntelのモデム部門買収以来、Qualcomm依存からの脱却を進めており、本製品はその戦略の結節点といえる。
iPad ProはC2モデムと次世代M6チップを同時搭載することで、通信性能だけでなく演算能力も飛躍的に向上する見通しだ。Appleが描く“接続の未来”は、このデバイスを通じて現実味を帯びてきた。
Apple製5Gモデム「C2」が描く次世代通信の設計図

2027年のiPad Proに搭載が見込まれるApple独自開発の5Gモデム「C2」は、先行してiPhone 16eに導入された「C1」を基礎に、ミリ波(mmWave)対応による通信速度の飛躍的向上が期待されている。C1はsub-6GHz帯に対応していたが、C2では理論上最大6Gbpsの通信速度が見込まれており、映画の高速ダウンロードや大容量ファイルの共有などがモバイル環境でも円滑に実現できる水準に近づく。
Appleは2019年にIntelのスマートフォン向けモデム事業を買収して以降、外部依存を排し、独自の通信技術確立に向けた基盤整備を続けてきた。C2の登場はその成果のひとつといえるが、単なる高速化にとどまらず、バッテリー効率やデバイス間の連携にも好影響を与えると見られている。
iPad ProはM6チップとの同時刷新により、モバイル端末としては例外的な処理能力と通信性能の両立を図ることになる。Appleにとって、C2モデムの導入は次世代エコシステムの中核技術である可能性がある。今後、iPhoneやMac、さらにはARデバイスなど他製品への展開を視野に入れた試金石として、iPad Proは重要なポジションを占めると考えられる。
モデム内製化が示すAppleの統合戦略と市場支配への布石
Appleが5Gモデムを自社開発する狙いは、単に性能の向上を求めることにとどまらない。ハードウェア、ソフトウェア、通信技術の垂直統合を進めることで、製品間の連携をより緻密にし、全体のユーザー体験を自社の設計思想で完結させる構図を強化する意図がある。iPad ProにおけるC2モデムの搭載は、その実現に向けた中核施策と位置づけられる。
従来Appleは、Qualcommをはじめとする外部ベンダーに通信部品を委ねていたが、それではiOSやSoCと完全な調和を取ることは難しかった。モデム内製化によって、エネルギー効率や信号処理の最適化を自社主導で可能とし、製品寿命や快適性の向上に直結する恩恵を得ることができる。
さらに、自社モデムの普及は長期的にはコスト削減や知財面での優位性確保にも寄与する。Appleが描くのは、単なる部品供給の自立ではなく、通信を軸とした製品群の連携進化であり、その試金石としてのiPad ProへのC2搭載は、未来に向けた戦略的意味を持つだろう。
Source:AppleMagazine