Microsoftは、これまでSnapdragonチップ搭載機種のみに提供していた「ライブキャプション」「Cocreator」などの主要AI機能を、Intel Core Ultra 200VおよびAMD Ryzen AI 300シリーズ搭載のCopilot+ PCにも順次展開すると発表した。

対象機能の一部はすでに2025年3月のWindowsプレビューアップデートで提供が始まっており、今後数か月かけて範囲を拡大する見通しである。一方で、新機能「Semantic Search」などが引き続きSnapdragon専用であることが、Copilot+ PCというブランドの不整合を浮き彫りにしている。

すべてのCopilot+ PCにNPUが搭載されているにもかかわらず、利用可能な機能はチップアーキテクチャによって分断されたままであり、ユーザーの混乱やブランド戦略への疑義が生じている。

Snapdragon依存からの脱却がもたらすCopilot+ PCの再定義

Microsoftは2025年3月のWindowsプレビューアップデートを皮切りに、Snapdragon専用だったAI機能をIntelおよびAMDのCopilot+ PCへ段階的に開放している。

「ライブキャプション」「Cocreator」「Restyle Image」「Image Creator」などが対象であり、従来はSurface Pro 11などSnapdragon X搭載モデルのみに提供されていた機能である。これらは音声のリアルタイム翻訳や画像生成・編集を可能とし、アクセシビリティやクリエイティブ用途における生産性を大きく引き上げるとされている。

Copilot+ PCに共通する要件としてNPU(Neural Processing Unit)の搭載があるにもかかわらず、機能の提供にチップごとの差が存在する状況は、AI活用の本質から外れているとの指摘もある。

今回の措置はその格差を是正する動きと位置づけられ、ブランド全体の整合性を保つうえでも象徴的な転換点となる。ハードウェアの選択肢が広がることは、特定ベンダー依存の構造を緩和し、開発者や導入企業の計画に柔軟性をもたらす。

「Semantic Search」に見るCopilot+ PCブランドの混迷

一方で、Microsoftが新たに発表した「Semantic Search」やSnapdragon X限定の「Voice Access」機能の存在は、ブランド内に残るアーキテクチャ格差を浮き彫りにしている。Semantic Searchは、自然言語による文脈検索を実現する機能で、現在Insider向けにSnapdragon環境でのみ試験提供されている。

また、Voice Accessは音声による自然なPC操作を可能とする注目の機能だが、同様にSnapdragonデバイス限定という条件付きだ。

このように、Copilot+ PCの名称で一括りにされた製品群の中に、機能の可用性に明確な違いがあることは、エンドユーザーの混乱を招いている。Windows CentralのZac Bowdenが「完全な失敗」と評したように、Copilot+というブランドが何を意味するのかが曖昧であり、AI PC戦略全体に不透明さが残っている。

将来的には、「Copilot」「Copilot+」「Copilot²」といった段階的な分類を設ける必要性が高まる可能性もある。ブランドが示すべきは名称よりも機能の一貫性であり、その欠如はAI導入の障壁となりかねない。

Source:Windows Central