2024年3月31日、Intelはネバダ州ラスベガスで開催される「Intel Vision」において、新CEOリップ・ブー・タン氏による初の基調講演を実施する。前CEOパット・ゲルシンガー退任後の暫定体制を経て正式に就任したタン氏は、深刻なプロセッサーの安定性問題やAMDとの競争激化を背景に、大規模な経営改革を掲げて登壇する見通しだ。

第13世代および第14世代Coreシリーズの不具合によりシェアを失い、ゲーミング分野でもRyzen X3Dの優位が続く中での演説となる。講演は公式YouTubeチャンネルにて現地時間午後2時より配信され、翌日には製品アップデートの発表も控える。

急速に変化する半導体市場で信頼を取り戻すには、CEOの描く再生ビジョンとそれに続く施策の実効性が鍵を握るとみられている。

リップ・ブー・タンCEOが掲げる改革の行方とIntel Visionの位置づけ

Intelの新たな指揮官となったリップ・ブー・タン氏は、3月31日に開幕した「Intel Vision」で初の基調講演を行い、自らの改革方針を語る場を得た。正式な就任後初の公開発言であり、長期的経営戦略の一端が明かされると見られている。この講演は、YouTubeを通じて全世界に配信され、約45分間にわたって展開される。

イベントが開催されたのは、グローバル企業が次なる成長の布石を打つ場として選びがちな米ネバダ州ラスベガス。基調講演のテーマは「A New Intel」であり、明らかに過去からの断絶と刷新を意識した構成となっている。特に、2024年にIntelが直面した複数の市場課題を踏まえた発信が求められており、その意味でこの講演は単なるスタートではなく「説明責任」としての性格も帯びている。

タン氏の改革は、単なる製品改善にとどまらず、事業構造や競合対応までを含む包括的なものとなる可能性がある。しかしそれを支える実効的なロードマップや短期成果が伴わなければ、再起の糸口にはなり得ない。講演の内容次第では、今後の投資家動向や市場評価にも波紋を呼ぶこととなろう。

Coreシリーズの安定性問題とRyzen躍進が突きつけた現実

第13世代および第14世代のIntel Coreプロセッサーで発生した安定性の問題は、競合AMDのRyzenシリーズに明確な追い風を与えた。特にゲーミング市場ではRyzen X3Dチップが高い評価を受けており、Intelは依然としてこの分野で決定的な対抗策を打ち出せていない。AMDは2025年も供給体制を強化し、さらにシェアを拡大する構えである。

この状況下で、Intelは製品性能だけでなく、信頼性とサポート体制の再構築が急務とされる。安定性の不具合は一部ユーザー間で深刻なトラブルを引き起こし、ブランドイメージの毀損に直結した。その影響は個人市場にとどまらず、法人・産業向け領域にも波及している可能性がある。信頼の失墜は、ただの技術的瑕疵では済まされない。

とはいえ、既存のアーキテクチャに対する抜本的な見直しには時間を要するため、短期的な打開策は限定的となるだろう。だからこそ今回の基調講演では、失地回復に向けたロードマップと実効性あるメッセージが求められる。沈黙や抽象的な表現は、さらなる市場離脱を招くリスクを孕む。

Source:PC Guide