1月末にプロトタイプのみが披露されたSamsungの超薄型フラッグシップ機「Galaxy S25 Edge」が、4月15日に正式発表される見通しとなった。リーク情報によれば、同モデルはベトナムの小売大手Mobile World(MWG)で独占販売される予定とされ、韓国では時差の関係で4月16日が発売日と報じられている。
S25 Edgeは、Snapdragon 8 Elite for Galaxyチップセットを搭載し、3,900mAhバッテリー、25W充電、6.656インチのディスプレイを備える。厚さ5.84mm、重さ160gという極薄軽量設計も注目に値する。なお、同時期にはGalaxy Tab S10 FEシリーズも発売予定であり、タブレット市場にも同社の新製品ラッシュが続く可能性がある。
ベトナム市場を狙うSamsungの戦略とGalaxy S25 Edgeの位置づけ

Galaxy S25 Edgeは、Samsungがベトナムの小売大手MWG(Mobile World Group)を通じて独占販売する予定とされている。MWGは同国最大規模の流通網を誇り、スマートフォン分野でも確固たる販売実績を有する。この販路にS25 Edgeを投入することは、Samsungが東南アジア市場の中でも特に成長著しいベトナムに重点を置いている姿勢の表れと見て取れる。
本モデルの厚さ5.84mm、重量160gという数値は、スリムさと軽量性を極限まで追求した結果であり、既存のS25シリーズとは異なるターゲット層を狙っている可能性がある。6.656インチのディスプレイサイズも、片手操作と映像視認性の両立を意識したバランスと言える。
さらに、S25 Edgeにも採用されたSnapdragon 8 Elite for Galaxyチップセットは、処理性能と省電力性の両面で高い評価を受けており、プレミアムモデルとしての地位を補強する構成となっている。SamsungがEdgeを単なる廉価版ではなく、差別化されたコンセプトモデルとして展開する姿勢は明確である。
地域独占という販売手法の背景には、限られた地域での消費者反応を見極め、今後のグローバル展開を判断する意図も含まれていると考えられる。
Galaxy Tab S10 FEシリーズとの同時展開が意味する製品戦略の転換点
Galaxy S25 Edgeと並行して、Galaxy Tab S10 FEおよびTab S10 FE+のリリースも4月に予定されている。特にタブレット2機種はスマートフォンより早く登場するとされており、Samsungがこのタイミングに複数カテゴリの製品を一斉投入する背景には、年度替わりに伴う需要の変化を捉える狙いがあるとみられる。
FEシリーズは「Fan Edition」の略称であり、プレミアム仕様を踏襲しつつもコストパフォーマンスを高めたラインである。そのため、S25 Edgeがスリムで高性能という訴求軸を持つ一方、S10 FEシリーズは価格と機能のバランスで幅広い層への浸透を目指す役割を担う。これらを同時展開することで、Samsungは異なる市場ニーズに対し、柔軟かつ立体的な製品配置を試みていることがわかる。
一方で、S25 Edgeの地域限定販売に比して、Tab S10 FEシリーズのグローバル展開が想定されることから、Samsungの製品ごとの市場テストと収益化戦略の違いが垣間見える。今後、こうした二極構造の戦略が他地域でも展開されるかは注目に値する。
Source:GSMArena