総資産1.6兆ドルを誇るバンク・オブ・アメリカが、中国Eコマース大手JD.com株の1%取得を明らかにした。直販とマーケットプレイスの二重構造や、物流部門の外部展開といった事業特性が評価された格好だ。
JD.comは、『マネー・ショート』で知られるマイケル・バーリが保有する銘柄の一つでもあり、直近では彼のポートフォリオの13.43%を占めていたが、2023年第3四半期からは保有比率を40%減少させていた。
同社は2025年の中国株の中で有力視されており、年初来で20%以上の上昇を記録。BofAは成長性と中国政府の刺激策の恩恵を挙げつつも、1%という控えめな出資によりリスク管理を図っている。
成長軌道を描くJD.comに集まる大型資本の視線

2024年第4四半期、JD.comは475億ドルの収益を計上し、前年同期比で13.4%の成長を示した。この好調な業績を背景に、Susquehanna、Citi、みずほ証券といった大手金融機関が相次いで目標株価を引き上げた。中でもCitiは56ドルへの上方修正を実施し、「買い」評価を再確認している。業績改善の要因として、マクロ経済環境の回復と、内部効率化による利益率の改善が挙げられている。
このような市場の評価に呼応する形で、バンク・オブ・アメリカはJD株式の1%取得を発表した。評価されたのは、Eコマース分野における堅固なポジションと、直販とサードパーティー型を融合させたビジネスモデルである。加えて、外部顧客への展開も進む自社物流インフラへの投資が、成長加速の布石とされた。
成長性が評価された一方、1%という出資比率には慎重姿勢もにじむ。高評価の中にあっても、地政学リスクや中国経済の不確実性は無視できない。BofAはリスクとリターンの均衡を重視したとみられ、過熱感を避ける姿勢がうかがえる。
バーリの保有縮小とウォール街の強気評価の対照
マイケル・バーリ率いるScion Asset Managementは、2024年第3四半期から第4四半期にかけてJD.com株の保有比率を40%削減した。JD株はそれでもなお同社ポートフォリオの13.43%を占めており、依然として中核銘柄であることに変わりはない。だがこの大幅な削減は、投資家心理に一定の波紋をもたらしている。
一方で、ウォール街の大手アナリストはJD.comに対する評価を強めている。業績回復、マクロ経済の下支え、テクノロジー企業としての成長期待といった複数の要因が、目標株価の相次ぐ引き上げという形で表れている。年初来で20%以上の株価上昇も、投資家の期待感を如実に反映している。
この二つの動きは、評価の視点の違いを象徴しているといえる。バーリの削減は、短期的リスクの回避や他銘柄への資金シフトの可能性を含む。一方、ウォール街の評価は中長期的成長性に重きを置いた判断といえる。市場の強気トレンドと著名投資家の慎重姿勢が交錯する中で、今後の株価推移はその評価の真価を問う試金石となる。
Source:Finbold