2025年第1四半期、株式市場は選挙後の上昇基調を引き継ぎながらも、最終的には多くのセクターが失速し、2桁成長を達成した分野は皆無となった。なかでもエネルギーセクターは+8.08%と唯一際立った上昇を示し、エクソンモービル(+10.63%)やシェブロン(+15.47%)がその原動力となった。背景には中東の地政学的不安と供給逼迫への警戒があるとされる。
一方で、2023年から2024年にかけてAI主導で市場を牽引していたテクノロジー株は、トランプ前大統領の貿易政策懸念やバリュエーションの過熱感を受けて大幅下落。特にTesla(-42.99%)、Nvidia(-21%超)などの下落が象徴的である。今後の市場は不透明感を増し、主要指数の「デス・クロス」形成が示すように、さらなる調整局面入りの可能性も否定できない。
資本の避難先となったエネルギー株とその背景

2025年第1四半期、エネルギーセクターは+8.08%の上昇率で市場全体を上回り、他セクターに比して際立つ成績を収めた。中でもシェブロン(+15.47%)とエクソンモービル(+10.63%)が象徴的な上昇を記録し、このセクターを牽引した。上昇の主因には、中東地域の地政学的不安定性と、それに伴う供給制約への懸念が挙げられる。これにより原油価格の上昇圧力が高まり、エネルギー関連企業の業績期待が強まったとされる。
さらに、ディフェンシブな特性と高い配当利回りを有するエネルギー株が、不確実性の増す市場環境において資金の避難先として選好されたことも見逃せない。テクノロジー株への期待が後退する中で、安定性と実需に裏打ちされたセクターへの資金シフト、いわゆる資本ローテーションが鮮明となった。素材(+3.27%)や公益事業(+1.47%)といった相対的に堅調なセクターも含め、市場参加者のリスク回避的な行動が数値面からも浮き彫りとなった格好である。
テクノロジー株急落の波紋と市場心理の転換
2023年から2024年にかけて、AI関連銘柄を中心に過熱したテクノロジー株だが、2025年第1四半期は一転して失速した。Nvidia(-21%超)、Apple(-15.61%)、Tesla(-42.99%)といった主要銘柄が軒並み下落し、セクター全体の流れを押し下げた。背景には、トランプ前大統領が示唆した関税政策の復活に対する警戒感があり、グローバル供給網や収益構造への悪影響が懸念されている。さらに、AIブームの沈静化と一部銘柄のバリュエーションが過剰との見方も市場心理を冷やす要因となった。
S&P500のテクノロジー株が「デス・クロス」を形成したことは、テクニカル面でも下落トレンド入りの兆候とされる。過去においてこの現象は7か月で25%の下落に繋がった前例があり、相場の一層の調整局面を意識させる。クリス・ヴァミューレン氏が「数週間以内のベアマーケット入り」を警告した点も、現在の市場の脆弱さを端的に示す。資金の流れが成長から安定へと向かうなか、テクノロジー株に対する期待の持ち直しには時間を要する可能性が高い。
Source:Finbold