米トランプ・メディアとCrypto.comが3月25日に暗号資産ETF創設に向けた非拘束的合意を発表したことで、暗号通貨Cronos(CRO)が急騰した。合意発表翌日の24時間でCROは31.25%の上昇を記録し、その後も高値圏を維持。結果として、同週の上昇率は37.31%に達し、暗号資産市場全体が1000億ドルの時価総額を失う中で、最も顕著なパフォーマンスを見せた。

両社の声明では、アメリカ企業への投資強化や政治色の排除を掲げた投資商品の創出がうたわれており、米証券取引委員会による今後の規制緩和を暗示するとの見方も一部で広がっている。一方、提携効果はDJT株には限定的で、短期的な上昇後は下落に転じた。


Cronos急騰の直接要因はCrypto.comとトランプ・メディアの提携発表

3月25日に発表されたCrypto.comとトランプ・メディア(NASDAQ: DJT)の提携は、Cronos(CRO)の価格に直ちに反映された。両社は、暗号資産を基盤とするETFやそれに準じる投資商品の創出に向け、非拘束的ながら協業に合意。この発表から24時間以内にCROは31.25%の上昇を見せ、市場全体が不安定に推移する中でも異例の値動きを記録した。

CronosはCrypto.comによって開発された暗号通貨であり、同社のプロジェクトと直結する形で市場の評価が動く特性がある。今回の合意では、Crypto.comとYorkville Americaが共同でETFを設計・提供する構想が示され、投資家の注目が一気に高まった。加えて、CROは週単位で37.31%上昇し、暗号資産トップ100の中で最も優れたパフォーマンスを誇ったことがその影響の大きさを裏付ける。

デジタル資産市場が時価総額で1000億ドルを喪失するという異常事態の中にあって、Cronosのみが逆行高となった事実は、単なる市場連動では説明しきれない。提携発表という特異な材料が明確な転換点であり、市場参加者が示した反応は非常に直接的かつ強烈なものであったといえる。

トランプ銘柄との連動とCROへの選好が示す市場の構造変化

Cronosの価格上昇と対照的に、トランプ・メディア株(DJT)は短期的な反応を示すにとどまり、長期的な価格上昇には至らなかった。発表直後にDJTは約10.58%上昇したものの、その後すぐに反落し、3月28日時点では19.59ドルと1週間で4.68%下落している。この非対称な値動きは、暗号通貨市場における新興プロジェクトの成長期待と、伝統的株式市場における慎重姿勢との乖離を象徴している。

Cronosは暗号通貨という高ボラティリティ資産であるにもかかわらず、投資家が今後の金融商品展開に対して積極的な評価を下したことが示唆される。一方で、トランプ・メディア株は、政治的な文脈や規制リスクが意識されやすく、ETF構想に関する情報だけでは持続的な上昇要因とはなりえなかった。

さらに注目されるのは、両社が掲げた「アメリカ・ファースト」や「非政治的投資」の理念である。投資対象を政治思想から切り離すとしながら、トランプ氏のブランドが強く前面に出る形となっており、特定の層には響いても市場全体には慎重な反応を呼んだ可能性がある。Cronosの選好が際立ったことは、投資家の間で資産クラスの選別が進み、伝統的証券よりも柔軟な暗号資産に資金が流れている兆しとも取れる。

Source:Finbold