2025年3月31日、ビットコインETFへの資金流入および流出が完全にゼロとなった。この異例の動きは、BTC/USDが65,000ドル前後で推移し、前日から価格変動がほぼ見られなかった状況下で発生した。同時に、主要な暗号資産の取引量とアクティブアドレス数も減少し、市場全体が方向性を欠いた均衡状態にあることがうかがえる。
市場の主要テクニカル指標であるRSIとMACDはいずれも中立的数値を示しており、過熱感も弱気トレンドも存在しないことが明らかとなった。投資家心理は様子見に傾いており、この「無風状態」が短期的な価格停滞やレンジ内取引を促す可能性がある。
こうした状況は、AIトークンを含む他の暗号資産市場にも波及しており、全体として資金の流動性が抑制された静的な局面に入っていると見られる。
ビットコインETFの資金流入ゼロが示す市場の転機

2025年3月31日、Farside Investorsが報告したビットコインETFの「日次ゼロフロー」は、資産クラスとしてのビットコインが置かれている現状を如実に物語っている。価格が65,000ドルで安定し、Coinbase上のBTC取引量も2万BTCに減少する中で、資金の出入りが一切なかった事実は、買い手と売り手のいずれも決定的な行動を避けていることを意味する。RSIが50、MACDが0というテクニカル指標の結果も相まって、市場は極めて中立的な局面にあることが裏づけられる。
こうした状況は、単なる停滞ではなく、次なる動意形成の前段階であると捉えるべきだろう。過去の類似局面では、その後に大きな価格変動が生じた例もあるが、今回に関しては市場に目立ったファンダメンタル要因が欠けている点が異なる。つまり、外的ショックやマクロ経済イベントが起こらぬ限り、この均衡状態がしばらく続く可能性があると考えられる。ETFという制度的投資商品における静けさは、短期志向の投資家が姿を消し、長期保有層による支配が進行している兆候とも解釈できる。
暗号資産全体に広がる取引減少とテクニカル中立の波紋
ビットコインETFの無風状態は、イーサリアム市場にも波及している。ETH/USDは3,200ドルで前日比変動なし、Coinbase上の取引量は105,000 ETHから100,000 ETHに減少し、静かな推移を見せた。さらに、GlassnodeのデータによればBTCのアクティブアドレス数も91万件から90万件に減り、ネットワーク活動も緩やかに停滞している。これらの数値は、単一銘柄にとどまらず、暗号資産市場全体が休止的なモードに入ったことを意味している。
この状況下では、短期的な値幅を狙うレンジトレーディングが市場の主流となる可能性がある。特にRSIやMACDといった主要指標が「売られすぎ」でも「買われすぎ」でもない中立的な水準を維持している点は、トレンドレスの証左といえる。これにより、トレーダーは一方向のポジションを持ちにくく、レンジ内での機動的な取引が求められる。一方で、このような安定は市場の健全化を示す兆候ともなり得る。極端な投機行動が影を潜め、価格形成が実需やファンダメンタルズに基づくようになる過程であるとも読めるからだ。
AI関連資産との相関が映す市場構造の一体化
2025年3月31日、CryptoCompareのデータは、AIトークンとビットコイン・イーサリアムとの相関関係が安定していることを示した。これにより、AI関連資産は主要暗号資産の市場構造に深く組み込まれており、独自の価格形成力よりも全体の市場心理に影響を受けやすい構造が浮き彫りとなる。また、CryptoQuantの分析によれば、AI資産の取引量にも顕著な変動はなく、ビットコインやイーサリアムと同様の静観ムードが続いている。
この安定した相関は、裁定取引やペアトレーディングといった戦略を志向する市場参加者にとって好機となりうる。一方で、AIトークンの特性や将来的な技術的優位性が市場に反映されにくい状況でもある。つまり、個別要因ではなく、BTCやETHの動向に資金流入が左右される構造が続く限り、AI資産は「補助的な存在」にとどまり続ける懸念がある。このような状況は、暗号資産市場がテーマ投資から離れ、より統合された資産クラスとして機能し始めていることの一端ともいえるだろう。
Source:Blockchain.News