Googleは2024年3月、検索やMaps、Geminiに旅行計画を支援するAI機能を導入し、検索クエリの拡大を図っている。BofAセキュリティーズは、この動きが初期の意思決定段階でのユーザー関与を強化し、高収益につながる検索需要の増加をもたらす可能性を指摘した。
新機能には、AIによる日程作成やホテル価格の追跡、スクリーンショットからの視覚整理、パーソナライズ可能なGems機能の無償提供などが含まれる。従来の「格安航空券」型の検索から「絶景ロードトリップ」型への移行が促され、検索の多様性も拡がるとみられる。
Geminiの進化は、PerplexityやChatGPTといったAI検索プラットフォームとの競争力強化を意味し、今後OTAとの連携やAIエージェント型ツールの導入が業界再編のカギとなる可能性がある。
Geminiと連携した旅行機能がもたらす検索行動の変化

Googleは2024年3月、Geminiを中核とした旅行支援機能を検索、Maps、Gemsに実装し、検索クエリの幅を拡張する仕組みを整えた。AIによって提案される旅程は、個人のニーズに応じた柔軟なプランを可能にし、従来の「価格比較」主体の検索行動を「体験重視」の提案型へと転換させている。特に「カリフォルニアの絶景ドライブコースを教えて」といった複雑かつ曖昧な検索要求に対応できる点が注目される。
アナリストは、これにより検索クエリの数だけでなく、その質と収益性も向上する可能性があると分析する。Geminiを活用した検索は、行動の初期段階でユーザーの関心を捉え、Googleの他サービスへの回遊も促す構造を持つ。これにより、旅行業界内でのGoogleの優位性が一層強化される可能性がある。一方で、曖昧な要求に依存する提案型検索は、精度の担保や情報の偏りという新たな課題を生むリスクも否定できない。
OTAとAI検索プラットフォームの再編競争とGoogleの戦略的立ち位置
Googleの新機能は、旅行アグリゲーターとAI検索プラットフォームの再編成を加速させる可能性を含んでいる。PerplexityはTripAdvisorやSelfbookとの連携を進め、ホテル予約や割引を含む実用的なツールとして急速に台頭している。一方、OTA(オンライン旅行代理店)との提携は控えめであり、AI検索勢は供給網ではなく情報や意思決定支援で優位性を築こうとしている点が明らかになった。
アナリストは、Geminiが年内にエージェント型AIとして進化する場合、OTAとの新たな連携が生まれる可能性にも言及している。Googleは自社の旅程作成ツールをOTAの予約プラットフォームに接続することで、旅行計画から予約までの一貫性を高めようとする姿勢を示している。このような垂直統合型の戦略は、既存の旅行エコシステムを再編する起爆剤となり得る。一方で、ロイヤルティプログラムを武器とするOTAも競争力を維持しており、両者のせめぎ合いが今後の焦点となる。
Source:Yahoo Finance