Amazonは、ショッピング支援に特化した新たなAIモデル「Nova Act」を発表した。このモデルは、同社のAGI(汎用人工知能)研究部門「AGI Labs」から生まれた初のプロダクトであり、画像に関する質問や購入予約、比較検索などを一括処理できる「エージェント型」AIとして設計されている。

Nova Actは、従来の「Alexa Plus」や話題とならなかった「Rufus」の後継進化とも言える位置づけで、複雑なプロンプトにも柔軟に対応。ショッピング体験に新たな自動化の可能性を提示している。現在は開発者向けの研究プレビュー段階にあり、専用WebサイトやAmazon Bedrockを通じてアクセスが可能となっている。

AGI研究の成果として初の実用展開となるNova Actの位置づけ

Nova Actは、AmazonのArtificial General Intelligence(AGI)Labsが開発した「Nova」シリーズの第6モデルにあたる。Novaシリーズは推論やメディア生成など多目的なモデル群で構成されているが、今回のNova Actはショッピングに特化した形で初の対外発表となった点が特に注目される。このモデルは、購入支援にとどまらず、インターネット検索から予約、比較、質問応答までを一貫して処理できる「エージェント型AI」として設計されている。

Amazonはすでに2024年に買い物支援AI「Rufus」をリリースしているが、ユーザーへの浸透は限定的だった。これに続く形で登場した「Alexa Plus」は、会話型AI機能の強化を図ったもので、Prime会員向けには無料、一般ユーザーには月額20ドルで提供されている。今回のNova Actは、これらの進化系ともいえる存在で、Alexa Plusの内部機能の一部にもすでに組み込まれているという。

AGI Labs発の初プロダクトである点に鑑みれば、Nova Actは単なるショッピングツールではなく、Amazonが次世代AIへの足がかりとする象徴的な存在と位置づけられる可能性がある。AI研究から商用展開へと接続するこのモデルは、今後のAmazon全体のサービス戦略にも影響を与えるだろう。

汎用エージェント型AIによるショッピング体験の再構築

Nova Actが提示する最大の変化は、従来の「選ぶ」「検索する」「比較する」といったショッピング行動を、プロンプト一つで完結させ得る点にある。たとえば、特定の条件を加えた商品検索、予約処理、あるいは保険オプションを除外するなど、これまで複数ステップを必要とした判断が一括で処理可能になる。OpenAIの「Operator」に似た設計思想を持つが、あくまで焦点は買い物体験に絞られている点が異なる。

この特化性がもたらすのは、単なる利便性の向上ではなく、ユーザーの意思決定プロセスそのものの変質である。従来はユーザーが選択肢を比較し、自らの判断で最終決定を下していたが、Nova ActのようなAIが「選択肢の提示」と「最適判断の補助」を担うことで、購買判断の一部をシステムに委ねる構造が定着する可能性がある。

この変化は、EコマースのUX設計や顧客接点の再定義を迫るものとなり得る。Amazon自身がAGI技術を応用し、この分野で先鞭をつける意義は大きく、競合他社がどのように応答するかが今後の焦点となるだろう。

Source:Android Headlines