モルガン・スタンレーは、ビッグデータ企業Palantir Technologiesの株価に対して慎重な姿勢を示している。4月2日に予定されている関税引き上げが景気後退を誘発する懸念に加え、同社の業績はその影響を受けやすいと指摘する。株価はすでに2月の高値から約30%下落しており、2025年予想利益の150倍を超える現水準は、Nvidiaを上回る過熱感を映し出している。

さらに、トランプ前政権による国防費500億ドル削減方針がPalantirの主要収益源である連邦契約に直撃する可能性も浮上。こうした複合的要因により、アナリストらは同社株を高ベータかつ過大評価と見なしており、現在の市場では選好されにくいとする見方が強まっている。


高ベータ株としてのPalantirに市場が抱える不安

モルガン・スタンレーはPalantirを「高ベータ株」と位置付け、リスク資産としての脆弱性を指摘している。株式のベータ値は1を基準とし、それを上回る場合は市場平均以上の価格変動を示すが、Palantirはこれに該当する。

現在、同社株は2025年の調整後予想利益の150倍超という極めて高いバリュエーションで取引されており、Nvidiaといった他の成長株と比しても割高感が際立つ。このような高値は、リスク回避が進む局面においては売却の対象となりやすく、投資家心理を冷やす要因となる。

加えて、Palantirのビジネスモデルは政府契約への依存度が高いため、市場環境が不安定な際に評価が揺らぎやすい構造を持つ。景気後退が現実味を帯びる中で、収益見通しの不確実性が株価下落をさらに加速させる可能性も拭えない。モルガン・スタンレーの慎重な評価は、過剰流動性によって過大評価されてきた銘柄に対する市場の目線の変化を象徴しているといえる。

連邦支出削減がPalantirの事業基盤を揺るがす構図

トランプ前大統領が提案した500億ドル規模の国防予算削減が、Palantirの業績に直結する構造に注目が集まっている。同社の売上の過半が連邦政府との契約によるものであり、特に国防総省や情報機関との取引に依存している。支出の見直しが実施されれば、更新契約の減額や新規受注の停滞を通じて、事業全体に直接的な影響が及ぶ公算が大きい。このようなマクロ政策の変化は、個別企業に対する評価修正を迫る要因となり得る。

さらに、政府支出の抑制は、同社が掲げる民間領域への拡大戦略に対しても圧力となりうる。政府契約の減少が収益の基盤を弱体化させた場合、リスク回避志向の強まる市場では、収益の安定性が評価される民間企業に資金が流れる傾向が強まる。Palantirのように特定分野に強く依存する企業は、外部環境の変動に対して脆弱であるとの見方が改めて浮き彫りになったといえる。

Source: Barchart.com